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東日本大震災からの復興へ!「Reborn-Art Festival 2019」の見どころ5選
東日本大震災で被害を受けた宮城県の石巻市や牡鹿半島を舞台に、2019年8月3日〜9月29日、「Reborn-Art Festival 2019」が開催されます。東北地方の豊かな自然の中で、草間彌生をはじめとする多くのアーティストの作品やグルメが楽しめます。
9月まで見られる!「Reborn-Art Festival 2019」の見どころ5選
「Reborn-Art Festival」は、宮城県の石巻市と、隣接する牡鹿半島を舞台とするアートと食、音楽の祭典です。
2011年3月11日に東北地方で発生した東日本大震災は、18,000人を越す死者・行方不明者を出し、石巻市や牡鹿半島にも大きな被害をもたらしました。
こうした経験を踏まえつつ、人間の生活のあり方を見直そうと始まったのが、この芸術祭です。初回である2017年には、延べ26万人が来場しました。2回目となる2019年は「いのちのてざわり」をテーマに、8月3日〜9月29日に開催されます。
「被災地」という背景をもつこの地だからこそ、アートを通して、新しい価値観にふれられるでしょう。本記事ではオススメの見どころを5つ、紹介します!
見どころ① 未来への希望を感じる桃浦エリア
カキ養殖が盛んな漁村・桃浦(もものうら)は、牡鹿半島の北西部に位置する小さな集落。ここには、日本に熱狂的なファンを持つロックバンド、「Mr.Children」などのプロデュースを手掛けてきた音楽家の小林武史がキュレーションした作品が集います。
赤い炎のような色から、強い生命力を感じる草間彌生(くさま・やよい)の「新たなる空間の道標 2016」。作品の後ろにそびえ立つ大きなタブの木からは、長い月日が作り上げた自然の偉大さや荘厳さを感じることができます。
日本の「カワイイ」カルチャーを題材に作品をつくる増田セバスチャン。「ぽっかり空いた穴の秘密」では、建物内の螺旋階段を降りて小さな扉をくぐると、色鮮やかな装飾が目に飛び込んできます。
人工的な空間内で目立つのは、天井に開いた穴から見える透き通った空。穴は、新しい世界への入り口のようです。見上げると元気が湧いてくるように感じられるのが不思議です。
ロンドンを拠点に活躍するアーティスト、アニッシュ・カプーアの「Mirror」は、廃校になった小学校に展示されています。見る角度によって色や立体感が変わる鏡に自分を映してみると、まるで自身の姿も自由に変化しているようです。
生きる時や場所、対面する相手によって、人間は変わっていきます。そんな柔軟性は、生きるために必要な力です。同時に、「いまここ」にしかいないはずの自分がすぐに変わってしまうのは、儚いことでもある。そんな両義性が感じ取れます。
桃浦エリアのアクセス
石巻駅前から県道2号経由(約30分) 。市街地から牧山道路 → 国道398号 → 県道2号 → 桃浦
石巻駅からバス「宮城交通鮎川線」に乗車、バス停「桃浦」で下車(約45分)
見どころ② 島の自然とともにアートを楽しめる網地島エリア
周囲20キロ、約400人が住む小さな島である網地島(あじしま)は、東北地方でありながら亜熱帯のような生態系が広がるユニークな場所。
ここでは、東京にあるワタリウム美術館の館長・CEOをそれぞれ務める和多利恵津子と和多利浩一のキュレーションの下、21のアート作品が点在しています。
アルジェリア生まれ、パリ在住のアーティスト、フィリップ・パレノの「類推の山」は、フランスの詩人ルネ・ドマールの未完のSF小説「類推の山」から着想を得た作品。
小説の音読と、さまざまな音響・歌を組み合わせて創った音を、光や鏡とともに織り交ぜて流すことで、建物全体を1つのインスタレーションへと変えています。
窓ガラスに音が共鳴すると、光が漏れ出す。そんな演出を見ていると、まるで建物自体が話しかけているような気分になってきます。人間にとって、そもそも音の存在がどのような意味をもつのか。五感で感じながら、じっくり考えたくなる作品です。
1994年生まれのアーティスト、石毛健太の「この波際」は、東日本大震災のときの出来事と、島に流れ着いた漂着物の来歴を、音声と映像を組み合わせながら紹介しています。
かつて神社の社務所として活用されていた建物の中でじっくりと音を聞き、映像を眺めていると、いつしか、時の流れや人の命、自然の脅威について思いを馳せているかもしれません。
網地島へのアクセス
石巻駅近くの港から網地島までは船で約1時間、鮎川港からは約20分で到着します。詳細は網地島ライン(日本語のみ)をチェックしてください。島内の移動は牡鹿地区市民バスの利用がオススメ。船の発着時間に合わせてバスが出発しています。料金は中学生以上200円。
作品の鑑賞は8月20日からです。天候により船が欠航になる場合もあるので、最新情報はツイッター(日本語のみ)でチェックしてください!
見どころ③ 原始的な命の力を感じられる荻浜エリア
荻浜(おぎのはま)は、貝殻でできた白く美しい砂浜が有名です。近くには第二次世界大戦中、日本軍が魚雷を格納するために゙掘ったとされる洞窟もあり、静かな時の流れも感じられるでしょう。
名和晃平の「White Deer (Oshika) 2017」は、白い砂浜にそびえ立つ鹿のオブジェです。
鹿は、日本では古来から神の使いとして崇められるなど、人間とともに共生してきました。しかし日本では近年、鹿が畑の作物を食べる獣害も多発しています。生物の強さと、人間に牙を向く荒々しさの両方を感じる作品です。
すぐそばには11:00〜17:00(予定)でオープンしているレストラン「Reborn-Art DINING」もあります。日本全国から多数の料理人が集まり、東北などの食材をつかった料理が楽しめます。席数は30席で予約はできませんが、作品を眺めながら食事を楽しめるスポットです。
今村源の「きせい・キノコ・2019」は、枯れ木の上に金属でできた巨大なキノコがそびえ立っている作品。ぜひ、このロケーションにぜひ注目してみてください。
死にかけている生命を使って、新しい生命が生まれてくる。何かに頼ることで新しい進化が始まるといったストーリを内包したこのアート作品は、見る人に新しい力を与えてくれるでしょう。
荻浜へのアクセス
石巻駅前から県道2号経由(約35分) / 市街地から牧山道路 → 国道398号 → 県道2号 → 荻浜
石巻駅からバス「宮城交通鮎川線」に乗車、バス停「荻浜」で下車(約1時間)
見どころ④ 東北の食を満喫できるフードツアー
フードディレクターのジェローム・ワーグと原川慎一郎が開催する参加型イベント「石巻 フードアドベンチャー」。石巻・牡鹿半島の食材や自然を巡るツアーを通じて、食材本来の豊かさやおいしさについて考える料理を堪能することができます。
2人は東京の神田で自然食レストラン「the Blind Donkey」を営む店主でもあります。
地元の鹿猟師とともに山を散策したり、漁師とともに魚をとったりと、さまざまなプログラムが用意されています。詳細は「Reborn-Art Festival 2019」の公式HPでチェックしてみてください。
見どころ⑤ 宿泊者のみ体験できる夜のアートツアー!
桃浦エリアでは旧・荻浜小学校で宿泊ナイトツアーが週末限定で開催されます。限られた人数で夜の浜を散歩したり、作品を鑑賞したりするプログラムです。宿泊と夕食、朝食がついて参加費は1人9,000円。
詳しくは「Reborn-Art Festival 2019」の公式HPでチェックしてみてください。
1日鑑賞券・アクセス
作品を巡るには1日鑑賞券を購入しましょう。一般3,000円、学生は2,500円です。各エリアに設けられたインフォメーションセンターで販売しているほか、以下の「MATCHA Tickets」からも購入できます。
「Reborn-Art Festival 2019」は8月14日とイベント開催日を除き、毎週水曜日が休日なので気を付けましょう。
旅の拠点となる石巻駅からそれぞれの作品エリアまでは離れている場合が多いため、駅周辺などでレンタカーを借りてまわるか、作品を巡る公式ツアーバスの利用がオススメです。
JR石巻駅前のレンタカーショップでは、トヨタレンタカーが英語にも一部対応しています。公式ツアーの詳細は「Reborn-Art Festival 2019」の公式HPのチェックを。
「Reborn-Art Festival 2019」では、今回ご紹介したエリア以外にも、さまざまな作品があります。ぜひ足を運んで、東北の自然とアートを満喫してみてください!
In cooperation with Reborn-Art Festival 実行委員会
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