旅の準備はじめよう
熊本城、阿蘇山、天草のキリシタン集落へ。熊本満喫モデルコース
九州地方の熊本県には、雄大な自然を誇る阿蘇地方や、潜伏キリシタン史跡の残る天草といった見どころがありますが、いずれも県内の中心地から離れた位置にあります。本記事では、熊本市内と阿蘇、天草をまわる3日間のモデルコースを紹介します。
熊本のモデルコース
九州地方のちょうど中心に位置する熊本。阿蘇山をはじめとした雄大な自然が広がる阿蘇地方や、2017年にユネスコ世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録された史跡の残る天草地方など、さまざまな見どころがあります。
これらの名所はいずれも熊本市内から離れた場所にあるため、存分に見てまわりたい方は、3日ほど熊本に滞在するのがオススメです。
本記事では「阿蘇くまもと空港」に到着後、1日目に熊本市内を訪れ、2日目に阿蘇、3日目に天草をまわる3日間のモデルコースを紹介します。
2020年5月現在、新型コロナウイルスの影響により臨時休業、または営業時間を変更している場合がございます。詳細は各施設の公式HPなどをご確認ください。
1日目:熊本市内を散策しよう(水前寺公園、熊本城、上通・下通)
1日目は、「水前寺公園」や「熊本城」といった熊本市内の名所に立ち寄ったあと、熊本ラーメンなどの名物グルメを満喫するコースです。
東京の羽田空港から熊本の玄関口である「阿蘇熊本空港」へは、1時間45分ほど。到着したら、空港から空港リムジンバスで、熊本県の中心地に移動しましょう。まっすぐ向かいたい方は、もっともにぎわう繁華街、上通・下通のすぐそばの通町筋(とおりちょうすじ)バス停で下車してください。乗車時間は約40分です。
水前寺成趣園の美しい景観
Photo by Pixta
しかし時間のある方は、繁華街に行く前に美しい日本庭園を眺めてみては? この場合、「水前寺公園前」バス停で下車します。 空港からの乗車時間は30分ほどです。
「水前寺成趣園」(通称・水前寺公園)は、400年もの歴史をもつ庭園。中央の池のまわりに配置された石橋や東屋、緑の丘が優美な風景を形作っています。
水前寺成趣園周辺のおすすめホテル
熊本城に行こう
Photo by Pixta
観園後は市電に乗り、熊本随一の名所「熊本城」へ行くのもオススメ。「水前寺公園」電停で市電に乗車し、「熊本城・市役所前」電停で下車してください。乗車時間は10分ほどです。
熊本城は2016年の熊本地震で城の大部分が壊れ、修復中です。建物の内部に立ち入ることはできませんが、二の丸広場など城周辺から天守閣を眺めることができます。
熊本城周辺のおすすめホテル
上通・下通でランチスポット探し
Picture courtesy of Kumamoto Prefecture
午前中に空港に着いた方は、そろそろお昼の時間。熊本城下から歩いて10分ほどのところには、上通(かみとおり)と下通(しもとおり)という2つのアーケード街があります。いずれもランチスポット探しにうってつけです。
上通には、県を代表するラーメン店が2軒あります。「こむらさき 上通中央店」と「山水亭」です。
こむらさきは、濃厚なスープに浮かぶ香ばしいニンニクチップが特徴。太めのもっちりとした麺で、ボリュームたっぷりです。山水亭は、ややあっさりとしたスープに細めの麺で食べやすく、女性にもオススメです。
同じ上通に店を構える「蜂楽饅頭」(ほうらくまんじゅう)に立ち寄ってもよさそう。甘い生地に、小豆でできた黒あんや、白インゲン豆でできた白あんがぎっしり詰まった饅頭は、県民のおやつの定番です。
一方、下通りには郷土料理の店や、イタリアンやフレンチなどさまざまな飲食店が軒を連ねます。中華の名店「紅蘭亭 下通本店」で食べたいのが、熊本の郷土料理・太平燕(タイピーエン)。たっぷりの野菜が乗った春雨入りのスープで、さっぱりといただけます(下通本店は改装のため休業中でしたが、2020年5月21日に再オープンします)。
鶴屋百貨店・くまモンスクエア
食後は、上通や上通の散策、または県内唯一のデパート「鶴屋百貨店」でのショッピングを楽しんでみては?
「熊本県「くまモンスクエア」へ、大人気のご当地キャラクターに会いに行こう!」より
鶴屋百貨店・東館1Fには、ご当地キャラクター・くまモンの活動拠点「くまモンスクエア」があります。くまモン在室時は、くまモンが踊りを披露してくれることも! グッズ売り場も併設されており、おみやげを購入することができます。
くまモンのグッズは、鶴屋本館6F「くまモンショップ」でも販売されています。こちらは500〜3,000円程度のお手頃価格のグッズが豊富です。
散策やショッピングを楽しんだら、夕方になっているはずです。そのまま市内で夕食を摂り、宿泊先へ向かいましょう。
くまモンスクエア周辺のおすすめホテル
あわせて読みたい
2日目:阿蘇へ行こう(草千里ケ浜・中岳火口)
Photo by Pixta
2日目は、熊本を紹介するガイドブックでかならずといっていいほど登場する阿蘇・草千里ヶ浜と中岳火口の景色を見に行きます。
県の北西にある阿蘇地方は、「阿蘇ユネスコジオパーク」を擁する風光明媚なエリア。世界最大級のカルデラをもつ阿蘇山、その西側の麓に広がる草原・草千里ケ浜といった見どころがあります。
熊本市内から移動する場合、熊本駅前(「1」のりば)や熊本桜町バスターミナル(6番のりば)のバス停から九州横断バスに乗車し、阿蘇駅で下車します。所要時間は約2時間、料金は1,530円です。その後、阿蘇火口線バス(8番乗り場)に乗り、阿蘇山西(あそさんにし)駅で下車します。所要時間は30分、料金は650円です。
雄大な草千里ヶ浜
Photo by Pixta
阿蘇山西駅から30分ほど歩けば、草千里ヶ浜に到着です。タクシーを利用すれば10分ほど。
緑豊かな草原の中央には大きな池があり、放牧された牛や馬がのんびりと草を喰む牧歌的な景色が広がります。ここは星が綺麗に見えるスポットとしても有名です。一泊して夜に訪れてもよいでしょう。秋はススキの名所でもあります。
Photo by Pixta
展望所にあるレストランには、阿蘇の名物・赤牛を使ったメニューが充実。「赤牛丼」や「赤牛ステーキ定食」でお腹を満たし、午後の旅に備えましょう。
中岳山頂で火口を眺める
Photo by Pixta
ふたたび阿蘇山西駅に戻り、火口が見えることで有名な中岳山頂へ向かいます。阿蘇山ループシャトルに乗車すれば10分(片道750円)、徒歩では30分ほどで山頂に到着します。火山の活動状況によって火口周辺への入場が規制されることもあるので、事前に公園HPで確認しましょう(2020年5月現在、阿蘇山ループシャトルは運行休止中です)。
周辺の観光スポット(阿蘇カドリー・ドミニオン、黒川温泉)
Photo by Pixta
山頂を見て阿蘇山西駅に戻ると、すでに夕方近くになっています。熊本市内に戻る方は、同じルートで戻りましょう。
時間に余裕のある方は、子熊や猫、犬とのふれあいが楽しめる動物園「阿蘇カドリー・ドミニオン」に行くのもよさそう。周辺の温泉地・黒川温泉での宿泊もオススメです。
阿蘇カドリー・ドミニオン周辺のおすすめホテル
3日目:天草へ行こう(世界遺産の﨑津教会・﨑津集落)
Photo by Pixta
3日目は、ユネスコ世界文化遺産に登録され、近年注目を集める﨑津集落へ向かいます。天草は熊本の西側にある離島です。熊本駅からバス「快速あまくさ号」に乗り、「本渡(ほんど)バスセンター」バス停で下車します。所要時間は約2時間20分、料金は2,280円です。
キリシタン関連遺跡のある﨑津集落への公共交通期間でのアクセスは限られています。観光には、本渡バスセンターから出発する天草ぐるっと周遊バスの利用が便利です。
﨑津教会・大江教会へ行こう
Photo by Pixta
世界文化遺産「天草の﨑津集落」コースでは、ゴシック様式の「﨑津教会」と周辺の﨑津集落、ロマネスク様式の「大江教会」などのスポットへ訪れることができます。所要時間は5時間、バス乗車料は1,000円で、各施設への入館料が別途かかります。
参加には、九州産交ツーリズム㈱旅行センターの公式HPの予約ページから、2日前までの予約が必要です。﨑津集落をめぐるコース以外に、イルカウォッチングが楽しめるコースもあります。
天草の﨑津集落周辺のおすすめホテル
熊本市内の宿泊先
熊本市内をメインに観光するときは、繁華街周辺に宿泊先を探すとよいでしょう。繁華街には、「東横INN熊本城通町筋」、「リッチモンドホテル熊本新市街」、「天然温泉 六花の湯 ドーミーイン熊本」などのビジネスホテルが多数あります。
少し贅沢をしたい方には、歴史ある「熊本ホテルキャッスル」や、鶴屋百貨店の向かいにある「ホテル日航熊本」がオススメ。
熊本市内の散策は少しにして、阿蘇や天草、近隣の福岡や大分に電車で出かけたいという方は、熊本駅周辺の宿を予約してください。駅前では「ホテルルートイン熊本駅前」、「東横INN熊本駅前」、「ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ」等を利用するとよいでしょう。
熊本で山と海の絶景を楽しむ
山や海といった美しい自然を誇る熊本県。上記以外にも、県内にはさまざまな観光スポットがあります。県内の公共交通機関の本数には限りがあるため、多数のスポットを訪れたい方は、レンタカーの利用がオススメです。
あわせて読みたい
Main image by Pixta