山形のフルーツと温泉、蔵王、山寺を満喫!1泊2日のサイクリング旅
山形県内陸部のサイクリングスポットをピックアップ。蔵王連峰や温泉とフルーツで有名な天童市、サクランボの名産地・寒河江市、最上川の舟下りなど、米国人プロサイクリスト、マイケル・ライス氏のコメントとともに見どころを紹介します。
かみのやま温泉から出発!山形・内陸部のサイクリング旅
山形県の内陸部は見どころいっぱいのエリア。樹氷で知られる蔵王連峰や、フルーツ栽培が盛んな天童市、各地の温泉など、サイクリングなら道中の景色まで楽しめます。
本記事では山形の内陸部のサイクリングスポットをまわる1泊2日の旅を紹介。日本在住の米国人プロサイクリスト、マイケル・ライスさんのコメントとともに、スポットの魅力をお伝えします。
旅のスタート地点はJRかみのやま温泉駅。560年以上の歴史をもつかみのやま温泉は、東北と東京を結ぶ交通の要所です。
電動自転車の貸し出しをしているのは、かみのやま温泉駅そばの観光案内所です。自転車をレンタルできるのは4〜11月で、冬期は貸し出しを行なっていません。19歳以上からレンタルできて、料金は1台1,000円(税込)から。
訪日観光客は手続きの際にパスポートの提示が必要です。レンタルした自転車は、当日の営業時間内(9:30〜16:30)に返却するようにしてください。
レンタルの詳細情報は「山形県・かみのやま温泉」の公式HPをご覧ください。
サイクリングツアーに参加
Photo by pixta
The Hidden Japanのサイクリングツアーでは、地元のガイドが上山城、武家屋敷、観光果樹園、ワイナリーを案内してくれます。開催期間は4〜10月まで。
詳しくは「The Hidden Japan」のHPをご覧ください。
上山城から蔵王の絶景を見渡す
最初の目的地は温泉街の中央にある「上山城」。かみのやま温泉はかつてこの城の城下町として栄えました。
城内は現在、郷土資料館となっています。地元の歴史、人物、祭り、自然生態系についての資料が展示され、地域の文化や歴史を学べます。
天守閣の展望台からは、温泉街だけでなく蔵王連峰、三吉山(さんきちやま)など、遠くの山並みまで望めます。
Photo by pixta
城内の足湯でひと休み。続く自転車の旅のために疲れを癒しておきましょう。
蔵王の絶景を駆け抜ける
エメラルドグリーン色の水をたたえる巨大な火口湖・御釜を有する蔵王連峰。サイクリングで訪れれば、その壮大な山並を全身で感じることができます。
Picture courtesy of 山形県
蔵王の山を登った先で見下ろす景色は絶景そのもの。広い空の下に広がる山形の街並みとそこを囲む山々の景色はいつ訪れても絶景です。あえて辛い道を行くのも、自力で移動するサイクリングの醍醐味。長い坂を登りきった先で見渡す景色は、より一層美しく感じられるはずです。
Picture courtesy of 山形県
下り道では、赤や黄色に染まった木々が枝を広げ、紅葉のトンネルをつくり出しています。自然を間近で感じながら走ることができるこの道では、サイクリングでしか感じることのできない爽快な空気を楽しめます。
Photo by pixta
Picture courtesy of 山形県
秋、蔵王は紅葉で一面真っ赤に染まります。冬の樹氷はとくに有名で、温泉街の開放感あふれる露天も人気。見どころ豊富な蔵王は、世界中の観光客から注目されているエリアです。
蔵王から紅葉に色づく山々の景色を見下ろしたマイケルさんはその壮観な景色を「どんな景色にもかなわない!」と一言。自転車で走り抜けた感動を味わっていました。
天童で果物狩りと温泉を楽しむ
Pictures courtesy of 山形県(上、左下)、王将果樹園(右下)
蔵王の西北にある天童市はフルーツの名産地。市内に点在する観光果樹園では、サクランボ、ブドウ、桃、洋ナシなどが栽培されています。
車の往来が少ない果樹園脇の道はサイクリングにぴったり。フルーツの収穫期は5月から11月までで、この時期に訪れると果物狩りまで楽しめます。
Photo by pixta
毎年4月中旬は桜が見ごろ。倉津川(くらつがわ)の枝垂れ桜が咲き誇り、川沿いがピンクに染まります。小さな赤い橋を自転車で渡ると、日本らしい桜と川の風景も撮影できますよ。
道の駅天童温泉にある「駒の湯」。天童市内の3カ所の足湯の中で、唯一駒の形をしています。
将棋駒の生産量が日本一を誇る天童は温泉でも有名です。天童温泉街には3カ所の足湯と9軒の宿があり、レトロな雰囲気の旅館から大型ホテルまでが揃います。
宿泊して温泉で疲れを癒し、おいしいグルメを堪能しましょう。
2日目 歴史ある立石寺を訪ねる
Picture courtesy of 山形県
2日目はまず山形市内の名所へ向かいます。860年に建立された立石寺(通称、山寺)は、県内屈指のパワースポット。およそ330年前、有名な俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)はここを訪れ、句を詠みました。
芭蕉を感動させた美しい風景は今も残っています。
Picture courtesy of 山形県
山寺は、悪縁を断ち切る"縁切り寺"として知られています。山頂の奥の院へと向かう1015段の石段は、一段登るごとに煩悩が消えるのだとか。登りきると悪縁が絶たれ、良縁に恵まれると信じられています。
「苔むした石段を登ると過去にタイムスリップしたような錯覚に陥ります。特に秋の美しい景色は感動もひとしお」とマイケルさんも山寺を散策。
山頂まではおよそ1時間かかりますが、訪れる人は後を絶ちません。
Picture courtesy of 山形県
石段を最後まで登りきれるか心配なら、石段登りの前に"力こんにゃく"で力をつけましょう。食べると体に力が湧くとされ、ふもとの店では玉こんにゃくを"力こんにゃく"と名付けて販売しています。
国内外問わず旅行客に人気の山寺。長い歴史と、周辺で楽しめるおいしい郷土料理はマイケルさんもオススメです。
「さくらんぼ会館」の手作りアイスクリームに舌鼓
Picture courtesy of さくらんぼ会館JA
山形市の北西にある寒河江市(さがえし)は、サクランボの名産地。JAさがえ西村山が運営する「さくらんぼ会館」では、パネル展示でサクランボ栽培について学べます。名物の手作りのアイスクリームも必食です。
Picture courtesy of さくらんぼ会館JA
アイスクリームはJA職員と職人が共同で開発しました。次々と味のアイデアが湧き出たそうで、これまで184種類が販売されたのだとか。どれも甘すぎず、素材本来の味がいきています。
Picture courtesy of さくらんぼ会館JA
現在は14種類のアイスクリームが販売されています。なかでも人気なのは、山形のブランド米「つや姫」や「はえぬき」を使った"米"アイス。米粒入りで、食感まで楽しめます。
さっぱりとした甘さで果物本来の風味が味わえると、山形県ならではの味覚、サクランボ味やラ・フランス味も人気です。
最上川の船上コンサート!船頭の楽しい舟歌
Picture courtesy of 山形県
山形県を貫流する、日本三大急流のひとつ最上川(もがみがわ)が流れています。旅の最後に舟下りを体験してみませんか?
古口港を出て、草薙港へ向かう航路は、約12キロメートル。およそ60分間の水上の旅が楽しめます。
Picture courtesy of 山形県
船頭の舟歌や小話も忘れられない思い出になるはず。毒舌だったり、モノマネが上手だったり、いろんなキャラクターの船頭さんがいるそうですよ。
舟歌は、18世紀半ばの商船文化が盛んだった頃、長い間家を離れる船頭が家族への思いを歌ったもの。きっと心動かされることでしょう。
Picture courtesy of 山形県
「春は鮮やかな新緑と桜の花、夏は青々とした緑に囲まれて、秋は迫るような紅葉が美しい。冬にはこたつ船が登場して、季節ごとの楽しみ方ができますよ」と教えてくださった船頭さん。
乗船時、自転車はスタッフが舟に固定してくれるので、サイクリングで訪れても舟下りができます。
舟下りの出発時刻や料金について詳しくは、「最上川 芭蕉ライン 舟下り」の公式HPをご覧ください。
船頭さんとの会話を楽しみ、「最上川の舟下りは日本の風景の美しさと日本人の心に触れることができます」と言うマイケルさん。「感動的な自然の風景を楽しみながら、船頭が語る最上川の歴史に耳を傾けましょう」。
山形の内陸部で景色・フルーツ・温泉を満喫
本記事では、かみのやま温泉や蔵王、天童、寒河江、最上川の見どころを紹介しました。これら山形の内陸部には温泉地が点在しています。
朝晩の温度差が激しい盆地は果物の栽培に適しており、サクランボ、モモ、洋ナシの生産が盛ん。果物狩りが楽しめる観光果樹園も随所にあります。
フルーツを味わい、温泉で癒されたい方に山形の内陸部はぴったり。来訪の際は、自転車でゆっくりとスポットをまわってみてくださいね。
山岳信仰の聖地「出羽三山」や、新鮮な魚介類が楽しめる山形の沿岸部の旅も見逃せません。沿岸部の自転車の旅については、この記事をご覧ください!
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Main image courtesy of Yamagata Prefecture
Written by Chen
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