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楽しい木工体験もできる!神戸「竹中大工道具館」で日本建築の技と歴史を堪能
木造建築の技を体感できる日本で唯一のミュージアム・神戸の竹中大工道具館は、建築やデザイン、工芸などに興味を抱く観光客にとって憧れのスポット。手で触れて、香りを嗅いで、来館者の五感を刺激してくれる素晴らしい博物館です。
2. 内装の美を発見できる!
栗の木で作られたエントランスの扉を入って、受付で入場料を払います。大人は500円、65歳以上のシニアは200円、大学生・高校生は300円、中学生以下は無料。いずれも税込です。
荷物を預けるロッカーもありますので、手ぶらで室内を巡ることができます。ミュージアムショップも含め、クレジットカードは使用できません。
地下1Fと2Fの展示室へとつながる階段。写真上の右側のストライプに見える部分には、「土壁削出し(つちかべけずりだし)」と呼ばれる伝統技法が使われています。
階段下にあるオシャレな椅子には座っても大丈夫。くつろぎのスペースとなっています。
外光を採り入れるための中庭が設けられ、地下階にも明るい光が注ぎ込んできます。デザインや施工に対する細やかな心遣いとその技術に魅了されます。
3. 木の特徴や香りを楽しみながら展示物を鑑賞できる!
展示のハイライトをいくつかご紹介します。写真は、奈良県にある「唐招提寺金堂(とうしょうだいじこんどう)」の柱と屋根を繋ぐ「組物(くみもの)」と呼ばれる部分の実物大模型です。
地下1Fから地下2Fに渡る大掛かりな展示です。
地下2F「木を生かす」のコーナーでは様々な木材の性質が紹介されています。色や木目、香りの違いを体感してください。
「和の伝統美」のコーナーに展示されている「組子(くみこ)」と呼ばれる伝統の技で作られた障子(しょうじ)です。
釘や糊(のり)を使わず、木の色を生かして美しい模様が生まれます。光を採り入れると見事な影ができます。
「道具と手仕事」のコーナーにある墨壺(すみつぼ)は、墨で木材や板に直線を引く道具です。
「さわってみよう」の表示がある場所では、実際に触ることができます。
ほかにも、建築の歴史や道具を作る名工を紹介したコーナーなど、全部で7つのコーナーがあります。個人使用に限り写真撮影も可能です。
4. ワークショップに参加できる!
地下2Fでは、水曜日・土曜日・日曜日・祝日(10:00-12:00、13:00-16:00)に「ちょこっと木工」と呼ばれるワークショップが開催されています(ほかイベント開催時には実施しないこともあります)。
組み木パズルは、細い刃でできた糸鋸(いとのこ)で形を切り取る講座です(30-60分:税込500円)。
「六甲山の木のたまご」とタイトルの付いた、卵型の木片を紙やすりで磨くワークショップは、幼い子どもたちも参加できます(税込200円)。
進行は日本語のみですが、言葉による説明をほとんど必要としないため、海外からのお客様も多数参加されているそうです。予約不要で参加できますが、非常に人気で混雑することが多いため、午前中の来館がオススメです。
定例の講座以外にも、季節に応じた内容のコースや、大人向けの教室など、様々なワークショップがあります。日程と時間が合えば、ぜひご参加ください。詳細はこちら。
5. ミュージアムショップでおみやげを購入できる!
1F受付横のミュージアムショップは小ぶりながら、常設展や企画展の図録のほか、木に関するユニークなグッズが揃っています。
上の写真は、上列のストラップ、下列のキーホルダーとも税込870円です。モチーフはいずれも木を加工する時に使う道具。左から鉋(かんな)、木槌(きづち)、鋸(のこぎり)です。
色や木目の異なる様々な種類の木材で作られたえんぴつけずりは税込650円。
木目が美しい木のたまごには「森の鳥たちからの贈りもの」という可愛い名前が付いています。価格は素材で異なり、エンジュとサクラの木は税込1,200円、そのほか8種類は1,100円です。
手のひらで包み込み、柔らかい木の温もりを感じてみてください。
木を素材としたグッズ以外にも、手ぬぐいをおみやげにされる方が多いそうです。道具館に展示されている木の種類が、柘(つげ)や栂(つが)という風に、漢字とひらがなでデザインされています。
価格は、白が税込1,000円、紺が税込1,100円です。ほかにも、えんぴつや絵ハガキなど、軽くてかさばらない、おみやげにぴったりの品々があります。
海外からの利用者にもやさしい設備の数々
タイトルの多くは英語で併記されており、要所要所で韓国語・中国語の表示もあります。
詳しい説明は日本語のみですが、上の写真のようにタブレットやスマートフォンを使った英語・韓国語・中国語の展示ガイドの貸出があるので、受付で問い合わせてください。
美しい建築やユニークな展示物、多言語による取組みによって海外のお客様は徐々に増えており、昨年は約50ヵ国から来られたそうです。
取材の日にも、フランス人のご家族が観光に訪れていました。写真左の女性に感想を伺うと「展示の背景にきっちりした思想と哲学を感じます」とのことでした。
五感で楽しめるミュージアムとして海外の方に人気が高まりつつある竹中大工道具館。神戸観光の際ぜひお訪ねください。
取材協力:竹中大工道具館
日本文化、特に絵画や工芸品が好き。福岡、京都、大阪、ベルギー、アメリカを経て現在は神戸在住。座右の銘は「住めば都」。