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京都の職人から学ぶ。「小菱屋忠兵衛」であなただけのミニ提灯を作ろう!
織物や器をはじめ、さまざまな伝統工芸に携わる職人たちが暮らす街「京都」。本日は、京提灯から生まれたブランド「小菱屋忠兵衛」で体験できる、ミニ提灯作りをご紹介します。京都旅行の思い出に、あなただけのオリジナルミニ提灯「ちび丸」を作ってみませんか。
江戸時代から続く提灯職人を訪ねて
古くから続く伝統と新しい文化が混在する、古都「京都」。織物や器をはじめ、さまざまな伝統工芸に携わる、職人たちが暮らす街としても知られています。
本日ご紹介する「小菱屋忠兵衛(こびしやちゅうべえ)」は、江戸時代から続く「京提灯」の技術をもとに、新たなプロダクトや空間作りを手がけるブランド。
京提灯屋「小嶋商店(こじましょうてん)」から派生して誕生しました。職人さん自身が京提灯の可能性を追求しながら、国内外へ魅力を伝えているのが特徴です。
今回は、そんな「小菱屋忠兵衛」で体験できる、ミニ提灯「ちび丸」作りをご紹介していきます。
京都ならではの提灯って?
こちらは、筆者が今回作らせていただいた「ちび丸」です。体験では、片手に乗せられるサイズの提灯を作ります。
小菱屋忠兵衛は、京都ならではの製法「地張り式(じばりしき)」にこだわりを持っています。「地張り式」とは、1本1本独立した竹骨を1つずつ輪にして糸で結い、和紙を貼る製法のこと。機械を使わず、手作りで行われます。
写真提供:小嶋商店
こだわりの素材を日本全国から集め、一般的な提灯よりも時間をかけて作られた小嶋商店の京提灯は、丈夫で独特の存在感を放ちます。基本的には、大きい提灯も小さい提灯も作り方が同じなので、「ちび丸」作りを通して本格的な京提灯作りが体験できますよ。
英語を話せるスタッフさんもおられるので、訪日観光客のみなさんも安心して体験することができます。それでは、作り方を実際の工程に分けてご紹介していきたいと思います! 所要時間はおよそ60〜90分となっています。
職人さんと一緒に「ちび丸」を作ってみましょう!
STEP1 和紙選び
ちび丸は4面で構成されています。まずは、それぞれの面に貼る色付きの和紙と柄の和紙を4枚ずつ、好きな組み合わせで選びます。
使用する和紙は、高知県で作られた「典具帖(てんぐちょう)」。手をかざすと透けて見えるほど薄いのですが、丈夫で破れにくいのが特徴です。
STEP2 紙貼り
刷毛を使いながら、トントントントンと竹の骨組みに糊をのせていきます。隅々までしっかりのせていくのがポイントです。
色付きの和紙と柄の和紙を重ねて霧吹きで濡らします。濡らした和紙を上から下へ順に貼っていきます。シワができないように、和紙を伸ばしながら貼りましょう。
余った左右の和紙を指で切って1面が完成です。次に反対側の面にも和紙を貼り、残りの面も同様に貼っていきます。
STEP3 ドライヤーで乾かして完成!
4面すべて貼り終えたら、最後にドライヤーで乾かして上下の和紙を整え、完成です! さっそく明かりを灯してみました。
京提灯ならではの、あたたかな色味に癒されますね。
最初は、破れず上手に貼れるかドキドキしながら和紙を貼っていたのですが、4つめの面を終える頃には少し指先が慣れてきました。
繊細な作業が多いので大変なところもありましたが、完成した「ちび丸」に明かりが灯る瞬間は、時間を忘れてうっとり眺めてしまうほど感動的でした。
小さなものから大きなものまで、ひとつひとつ手作業で行われている京提灯作り。実際に作ってみることで、受け継がれたきた職人技の価値を改めて感じることができました。
ぜひ、あなただけの「ちび丸」を作りに足を運んでみてくださいね。
「ちび丸」作りは税込3,500円。持ち帰り用の箱とLEDライト付きで、1名から予約が可能です。
東福寺駅からのアクセス
ちび丸作りを体験できる小嶋商店までは、JRもしくは京阪「東福寺」駅から徒歩10分。
改札を出てすぐの通りを左に曲がります。こちらの「瀧尾神社(たきおじんじゃ)」の角を右に曲がり直進すると、大通り沿い左手に「今熊野(いまぐまの)商店街」があります。
今熊野商店街のアーケードをしばらく歩いていると、「平林医院」と書かれた看板があるので、そこを左に曲がってください。
路地を直進すると、突き当たりに「小嶋商店」はあります。
ルートは少し複雑ですが、今熊野商店街には様々な飲食店や和菓子屋があります。ぜひまち歩きも楽しんでみてくださいね。
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取材協力:小嶋商店
Kyoto / Kameoka 「遠くて近い」を探りながら、肌で感じる面白さを綴っていきたいです。