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瀬戸内国際芸術祭2022が開幕!その魅力、アクセス、フリーパス情報を解説
2022年4~11月、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」が香川県で開催されます。直島や小豆島、豊島といった瀬戸内海の島々を舞台とするこのイベントならではの魅力は何か。お得な作品鑑賞パスポートやフェリーのフリーパスなども併せて紹介します。
瀬戸内国際芸術祭2022が開幕!
豊島の風景
「瀬戸内国際芸術祭2022」が、2022年4月14日~11月6日にかけて開催されます。
瀬戸内国際芸術祭は、香川県と岡山県の12の島・2つの港を中心に開催される現代アートの祭典。2010年以降、3年に1度開催されており、2022年に5回目を迎えました。
草間彌生や安藤忠雄などの作品が楽しめる直島を含め、島旅を楽しみながら多くのアートに触れられる瀬戸内国際芸術祭。その魅力やアクセス、旅行時に役立つ情報をお伝えします。
瀬戸内国際芸術祭の3つの魅力
瀬戸内国際芸術祭では、国内外のさまざまなアーティストが、島民やボランティアと協力しながらアート作品を創っています。ここでは筆者の観点から、3つの魅力をお伝えします。
魅力① 島の自然に溶け込むアート
中島伽耶子「うつりかわりの家」2013年 Photo Courtesy of Kimito Takahashi
浜辺に打ち寄せる波、木々を揺らす風、朝焼けと夕暮れの美しい景観……。瀬戸内海の島々の魅力の一つは、美しい自然です。そして、瀬戸内国際芸術祭には、自然の魅力をより深く体感できるアートが多くあります。
例えば、高見島の「うつりかわりの家」。古い家屋の屋根や壁に無数に開いた穴から、外の光が入り込みます。季節や天候、時間帯などによって光が変化するため、その日ごとの無二の状況を体感できます。
こうしたアートを体験すると、異次元を通り抜けたかのように、世界の感じ方が変わるかもしれません。
魅力② 島の生活を感じられるアート
淀川テクニック「宇野コチヌ」2016年 ※2010年作「宇野のチヌ」の「子ども」として制作された。 Photo Courtesy of Yasushi Ichikawa
岡山県の宇野港のランドマーク「宇野のチヌ」。遠目で見るとカラフルでかわいいオブジェクトですが、近づいてみると、その体を作っているのは、なんと近隣から出たゴミや不用品です!
このように、瀬戸内国際芸術祭には、地元の方々の生活に密接に関連した作品が多くあります。
オブジェクトだけではありません。直島には銭湯をアートにした「I ♥ 湯(アイラブユ)」、女木島にはヘアサロンやコインランドリーをアートにした「島の中の小さなお店プロジェクト」があります。
これらは、実際にお風呂に入ったり、髪を切ってもらったりできます。こうした場所は、地元の方々も利用しているので、ばったり会ったら話が弾むかもしれませんね!
魅力③ 島のグルメを楽しめる
安部良「島キッチン」2010年 Photo Courtesy of Osamu Nakamura
瀬戸内海の島々には、その土地で取れる魚介類や農作物を使った絶品グルメがあります。食の楽しみも、瀬戸内国際芸術祭の欠かせない魅力の一つ。多くの島に魅力的なレストランがあります。
例えば、豊島の「島キッチン」。「食とアートで人をつなぐ」という思いのもと、2010年に設立されたこの古民家レストランには、島内、島外のさまざまな人が集います。
「島を元気にしたい」という願いから生まれる、独自の魅力
島民と協働して作品制作をするアーティスト(粟島、2019)
アートと言えば、「美術館の中で静かに鑑賞するもの」というイメージがあるかもしれません。
しかし、瀬戸内国際芸術祭の背景には、「過疎化が進む瀬戸内海の島々を元気にしたい」という地元の方々やアーティストたちの願いがあります。それが、この芸術祭の独自の魅力を生み出しています。
2022年のアートの新作については、以下のMATCHA記事をご覧ください。
会期・イベント
瀬戸内国際芸術祭2022は、以下の3会期に分けて実施されます。
会期 | 期間 | 会場 |
春 | 2022年4月14日~5月18日 | 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春のみ) 、高松港周辺、宇野港周辺 |
夏 | 2022年8月5日~9月4日 | 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島 、高松港周辺、宇野港周辺 |
秋 | 2022年9月29日~11月6日 | 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島 、高松港周辺、宇野港周辺、本島(秋のみ)、高見島(秋のみ)、粟島(秋のみ)、伊吹島(秋のみ) |
3会期すべての舞台になるのが、小豆島や直島、豊島、女木島といった東の島々です。その一方で、本島や粟島など西の4島は、秋会期のみの開催となります。
栗林隆「伊吹の樹」2019年
有名アートスポットが多くある東の島々は、初めての方にオススメです。
他方で、西の島々も独自の魅力やアートを楽しめます。例えば、伊吹島では「瀬戸内国際芸術祭2019」で、地域の伝統を踏まえつつ、生命の誕生をモチーフに制作された「伊吹の樹」が大きな話題となりました。
「瀬戸内国際芸術祭」のディープな魅力を味わいたい方は、ぜひ秋会期も行ってみましょう!
会期中だから楽しめるイベントやアート
日比野克彦「種は船プロジェクト」2019年(粟島)
瀬戸内国際芸術祭で制作されたアート作品の約半数は、会期後も残ります。そういう意味で、瀬戸内の島々は、芸術祭の会期外でも楽しめます。
ただ、会期中だから楽しめるイベントやアート作品も多いのも事実。例えば、瀬戸内国際芸術祭2019では、アーティストがつくった船に乗って島の沿岸を巡ったりできるプロジェクトがありました。
2022年も、会期中ならではのさまざまなイベントやアートがあります。詳細は、瀬戸内国際芸術祭の公式HPをチェック!
島の魅力を体験できるホテルも!
PR Timesより
島の雰囲気を満喫するには、島で宿泊するのがオススメです。
瀬戸内国際芸術祭の舞台となる島には、複数のホテルや宿泊施設があります。中でも2022年の注目は、「直島旅館 ろ霞」でしょう。瀬戸内の魚をメインとしたグルメのほか、館内の随所でアートが楽しめます。
また、宇野港にある「KEIRIN HOTEL 10」も2022年にオープンしたばかりのアートホテル。競輪をモチーフにしたユニークなアートが館内で楽しめます。
このほか、直島にはアートを楽しめるホテル「ベネッセハウス」、西側では、島の静かな雰囲気を味わえる「ル・ポール粟島」といった宿泊施設があります。
アクセス・お得なフリーパス
宇野港
瀬戸内国際芸術祭の魅力のひとつは、船旅が楽しめること! 瀬戸内海の穏やかな海を見ながら、船に揺られるのは格別の体験です。
各島へ行く港については、以下の表を参照ください。
港 | アクセスできる島 |
高松港 | 直島、豊島、小豆島、女木島、男木島、大島 |
宇野港 | 直島、豊島 |
宝伝港(岡山市) | 犬島 |
丸亀港(丸亀市) | 本島 |
多度津港(多度津町) | 高見島 |
須田港(三豊市) | 粟島 |
観音寺港(観音寺市) | 伊吹島 |
なお、高松港や宇野港から船に乗る場合、3日間フェリーが乗り放題になる「共通乗船券」(税込2,600円)も使えます。
高松から各島に行くには、片道500~700円ほどかかります。3日以内に2つ以上の島をめぐる場合、フリーパスがお得です。
デジタルも登場!作品鑑賞パスポート
アート作品を見る際は、鑑賞料が必要です。
オススメは「3シーズンパスポート」。3会期全てで有効なパスポートが5,000円(税込)で買えます。「瀬戸内国際芸術祭2022」では、スマホアプリとして使える「デジタルパスポート」も登場! 日、英語、繁体字、簡体字、韓国語の5言語に対応し、クーポンなども付いています。
日帰りでアートを楽しみたい人には、「デイチケット」(税込1,800円)も販売されています。詳細は、瀬戸内国際芸術祭の公式HPをチェックしてください!
島巡りが気軽に楽しめるオフィシャルツアー
「【瀬戸内国際芸術祭】オフィシャルツアーをオススメする3つの理由」より
気軽に島を回りたい人には、チャーター船で島めぐりができるオフィシャルツアーがオススメですよ。地域をよく知るガイドが案内してくれるため、アート作品や島の魅力に深く触れることができます。
予約は、瀬戸内国際芸術祭の公式HPから可能。
コインロッカーやレンタサイクルを活用しよう
高松港周辺
瀬戸内国際芸術祭では、島内にアートが点在しているため、かなり歩きます。
こうした際、大荷物を抱えていると大変です。ホテルやゲストハウスで荷物を預かってもらったり、コインロッカーを活用したりしましょう。
また、島内の移動には、コミュニティバスやレンタサイクルが使えます。
コインロッカーや、島内の移動に関する詳細は、瀬戸内国際芸術祭の公式HPを参照しましょう。
春と秋会期の時期は、日中と朝夕の寒暖差があるため、上着を持っていった方がよいでしょう。夏は日差しが強いため、帽子や日焼け止め、飲み物を持っていくのがオススメです。
準備をしっかり整えて、素敵な島旅を楽しんでくださいね!
Main Image :チェ・ジョンファ(崔正化)「太陽の贈り物」(小豆島)
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。