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【香川】子どもの笑顔がいっぱい!年に2日だけ入れる津嶋神社と津島ノ宮駅とは?
海上の小島に建てられた津嶋神社は、8月4日と5日のお祭り時のみ入れる神秘的なスポット。子どもの守り神として400年以上も地域から愛されてきました。お祭りと合わせて開設されるJR津島ノ宮駅は「日本一営業日数の短い駅」であり、鉄道ファンも必見です!
年に2日だけ参拝できる津嶋神社と津島ノ宮駅とは?
香川県の三豊(みとよ)市にある津嶋神社は、8月4日と5日のお祭り時のみ参拝できる神社。瀬戸内海の小島に浮かぶ社殿の美しさと、安産や子どもの健康、縁結びのご神徳があることから、カップルや小さな子ども連れの家族に人気のスポットです。
隣接する津島ノ宮駅も、「年に2日しか電車が止まらない駅」として鉄道ファンに人気です。本記事では、津嶋神社の由来やアクセス、筆者によるお祭りレポートをお伝えします!
疫病を退けた「子どもの守り神」津嶋神社の伝説
1590年代のある夏、現在の津嶋神社がある浦に、女性の歌声が響き渡りました。不思議に思った村人たちは、神様の言葉を人間に伝える力を持つ巫女(みこ)を介して、ご神託を受け取りました。
「私は海に住む神だ。この島に木を植えてまつってほしい。そうすれば子どもたちと牛馬を守る」。このように言われたことを受け、村人たちは島に鳥居を建立。お祭りを行うようになりました。
その後、周辺で疫病が流行った際、津嶋神社の周りだけは子どもたちと牛馬が死ななかったということです。こうしたことから、津嶋神社は厚い信仰を集めることになりました。
かつて人々は船で参拝をしており、お祭り当日は島の周りが船で埋まったと言われています。その後、1933年に橋が掛けられ、参拝者は橋を通って島に行くようになりました。
現在は、小さな子ども連れの参拝者を中心に、8月4・5日の2日間で5万人もの人が訪れます。
津嶋神社の参拝者には、カップルもいます。中には、参拝後に結婚し、津嶋神社で結婚式を挙げたカップルもいるとか。津嶋神社は、家族やカップルにまつわる温かい思い出がたくさん詰まった、地域から愛されるスポットなのです!
子どもの笑顔がいっぱい!お祭り当日リポート
筆者たちは、2019年8月4日のお祭りを取材しました。その様子をリポートします!
鉄道ファンに大人気の津島ノ宮駅
まず筆者たちは、JR予讃(よさん)線に乗って「津島ノ宮駅」に向かいました。鉄道ファンにも大人気のこの駅では、駅舎であるゆるキャラ「つしまのみやえきちゃん」がお出迎えしてくれますよ。
かき氷も楽しめる!にぎやかな参道
駅から島に続く参道には出店が立ち並び、かき氷や「ところてん」といった、日本らしいグルメを楽しめます。「ところてん」は、海藻のテングサから作られるゼリー状のスイーツで、のどごしも抜群ですよ!
子どもの健康を祈る本殿
さあ、神社に向かいましょう。渡橋料は大人1人300円、子ども100円、幼児は無料。橋の手前の受付で払います。橋は、足元がしっかり組まれているので、ベビーカーや子連れでも安心ですよ。
橋の上に立つと、まるで海の上を歩いている気分になるかもしれません! 穏やかな青い海と鮮やかな緑の山々のコンビネーションは、瀬戸内海ならではの絶景。
当日はとても暑かったですが、橋の上では海風が涼しく、思わず立ち止まって、しばらく風を感じました。
この橋の正式名称は「つしま橋」ですが、地域の人々からは「しあわせ橋」と呼ばれています。ここを渡ると、幸せが訪れると信じられているからです。この絶景と心地よい風に包まれていると、筆者たちも何となく幸せが訪れそうな、ワクワクした気持ちになりました。
ゆっくり5分ほど歩くと、島に到着します。島の手前で橋は少し広くなるため、ベビーカーを停めることもできます。
鳥居をくぐって石畳の階段を上ると、本殿です。ここで、まずはお参りをしましょう。神社参拝の方法は、MATCHA記事をご参照ください。
津嶋神社にまつられているのは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)。巨大な蛇を退治した英雄で、とても家族思いだったと言われる日本神話の神様です。ここでお祈りしたら、皆さんのお子さんも、たくましくて優しい子どもに育つかもしれませんね!
かわいらしいお守りも購入できます。安産祈願や縁結び、日本の小学生が使う「ランドセル」というカバンの形をしたお守りなど、たくさんの種類があります。旅の思い出も兼ねて、1ついかがでしょうか?
宮司さんに子どもの健康や安産をお祈りしてもらうご祈祷にも参加できます(受付は日本語のみ、初穂料3,000円)。
この日は、親に連れられて多くの子どもたちが来ていました。みんな、「この子が元気に育ってほしい」という親の愛情に導かれて来たのだ思うと、筆者たちも胸が熱くなりました!
島の周りは浅瀬になっており、子どもたちが遊んでいました。筆者たちも、ズボンをまくり、サンダルを脱いで海に入りたくなりました。
夕日と花火
お祭りが開かれる8月上旬ごろは、18:30ごろから空が暮れていきます。青から紅へ変わっていく空のキャンバスの下に、橋の灯りがキラキラと浮かび上がる幻想的な光景に、筆者たちもうっとりしました。
20:00から40分間ほど、島の向かって左側から花火が上がります。近くで花火を楽しみたい方は、島か、橋から見るのがオススメです! ただし、非常に混雑するので、早めに会場に向かいましょう。
大切な人と静かに花火を楽しみたい人は、少し離れた場所に行ってみましょう。橋の手前には、浜辺に降りられる階段があります。また、津島ノ宮駅付近や、神社の左右からも、花火が楽しめます。
8月4日・5日以外にも楽しめる津嶋神社!
津嶋神社のハイライトは8月4・5日のお祭りです。でも、お祭り以外でも、この美しい神社の魅力を、静かに味わうことができます。
風に吹かれて、悩みを吹き払おう
8月4・5日以外は、島に渡る橋は閉鎖されています。ただし、橋の手前まで行くことはできます。
津嶋神社の周辺では、通常、朝は海側から風が吹き、夕方は陸側から風が吹きます。この場所に立つと、朝は島の神様のパワーがこもった風を受け取ることができ、夕方は、陸側から吹く風にのせて悩みや悪いものを振り払ってもらえますよ!
夕日の絶景写真を撮ろう
津嶋神社の左右のスポットからは、海に浮かぶ津嶋神社の美しい景観を写真に収めることができます。特に夕暮れどき、神社の右側へ少し歩いていくと、橋の向こうに夕日が沈んでいく様子を眺めることができます。
静かに揺れる海を、夕日が優しく染めていく。まるで夢を見ているかのような美しさに、さまざまな悩みごとも洗い流されるような気分になるかもしれません。
津嶋神社へのアクセス・注意事項
8月4、5日のお祭り時に駐車場は大変混雑します。できるだけJRを使いましょう。ただし、それ以外のときは、レンタカーで行くのがオススメです。津島ノ宮駅の隣にある詫間(たくま)駅では、「OPEN Air Rental Cars & Bikes」がレンタカー・レンタサイクルのサービスを行っています(対応は日本語のみ)。
お祭りは6:00~22:00まで続きますが、13:00~15:00ごろのお昼の時間帯がもっとも空いています。他方で、花火前の18:00ごろから、島への参拝は大行列になるので気を付けましょう。早朝も混むことが多いです。
お祭りが行われる8月上旬は、日本でもっとも暑い時期になります。帽子や飲み物を準備していきましょう。橋の手前の境内には日陰があるので、疲れたら休憩してください。境内の近くには授乳室もあります。
父母ヶ浜や金刀比羅宮を併せて周遊しよう!
津嶋神社の近くには、「日本一の夕日の絶景スポット」として知られる父母ヶ浜(ちちぶがはま)や、日本でもっとも有名な神社の1つ、金刀比羅宮といった人気スポットがあります。
津嶋神社に来る際は、併せて周遊してみてくださいね!
Written with Fumiko Ohnuma
In cooperation with Tsushima Shrine
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。