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チケットが無くてもOK! 初めての「歌舞伎座」楽しみ方ガイド
「いきなり歌舞伎を観るのはちょっとハードルが高い……」。そんな方に、チケットがなくても楽しめる歌舞伎座スポットをご紹介! 歌舞伎の裏側を体験できる施設「歌舞伎座ギャラリー」や、おみやげ店が集結する「木挽町広場」など、歌舞伎座の楽しみ方を解説します。
チケットなしで入れる歌舞伎座スポットとは?
日本の伝統的な舞台芸能と言えば、歌舞伎(かぶき)。そんな歌舞伎の殿堂と言われているのが、銀座にある「歌舞伎座(かぶきざ)」という劇場です。
実は日本で一年中歌舞伎を楽しめるのは、この歌舞伎座だけ。ぜひ、日本に来たらここで歌舞伎を観てほしいです。
でも、「自分に合わなかったらどうしよう」「公演を長い間鑑賞する時間がない」など、歌舞伎に興味を持ちつつも、鑑賞を迷っている方もいるかもしれません。
心配はいりません。歌舞伎座には、指定席のチケットを買わなくても、歌舞伎の世界を味わえるサービスや施設がいくつも用意されているからです。
本記事では、事前に公演チケットを買わずに楽しめる歌舞伎座スポットをご紹介。歌舞伎の舞台裏を知れる「歌舞伎座ギャラリー」と、おみやげ店がたくさん集まる「木挽町広場」(こびきちょうひろば)を徹底解説します!
1.歌舞伎の裏側を知る「歌舞伎座ギャラリー」
歌舞伎座タワーの5Fには、歌舞伎の魅力や舞台の裏側がわかる「歌舞伎座ギャラリー」という有料の施設があります。こちらのギャラリーでは、実際の歌舞伎公演で使った小道具などに触って、歌舞伎の裏側を体験することができるのです!
ギャラリーの入口では、トリックアートがお出迎え
展示は日本語のみですが、同じ内容を書いた英語のパンフレットがあるので、こちらを見ながら回りましょう。
※:時期によって展示内容や上映映像が変わる場合があります。
実際の舞台に登場する「馬」に乗ろう!
まず最初に現れるのが、実際に舞台で使用する、動物の小道具。写真はイノシシです。表情がとてもユーモラスですね。しかし実際は、イノシシと間違えて人が撃たれてしまうシーンで使われるもの。表情とは裏腹にシリアスです。
こちらは馬。身分の高い人物が馬に乗って登場するシーンなどで使われます。
前と後ろにそれぞれ人が入り、2人で息を合わせて歩いていきます。明治時代までは本物の馬を使ったこともあったそうですが、うまくいかず、試行錯誤の末に現在の形に落ち着いたそう。
馬には乗ることができるので、気軽に歌舞伎役者の気分を味わえますよ!
この音は、何の音?
続いては、歌舞伎で使う“音”を体験するコーナー。まずはこちらの音を聴いてみてください。
何の音かわかりますか?
使ったのは、こちらの貝殻。実は、貝殻をこすり合せることで、カエルの鳴き声を表していたのです。歌舞伎には、このように意外な道具を使って出す音がたくさんあります。
この木を上下に動かすと、船を動かすための木の道具「艪(ろ)」の軋んだような音が出ます。
実際に舞台で使用する船も展示されており、乗ることもできますよ。
船のシーンといえば、欠かせないのが波の音。下をクリックすると……。
優しい波の音が聞こえてきますね。何を使って出していると思いますか?
正解は、豆! あんこなどに使われる小豆(あずき)という豆を移動させることで、波のせせらぎのような音を生み出すのです。舞台に臨場感を出すために、さまざまな工夫がなされているのですね。
歌舞伎の舞台に上ってみよう!
展示室を進むと、ミニ歌舞伎舞台も。靴を脱いで上がり、役者気分を味わってみましょう!
ここに敷かれている板は、実際の歌舞伎座の舞台で使っていたもの。現在の歌舞伎座は2012年に建て替えられましたが、それ以前の歌舞伎座で使用されていた板です。
床を見ると、小さな穴がたくさん開いています。これは、舞台セットを何度も変える中でできた、釘の跡だそう。
舞台横には、小さな花道(はなみち)も。花道とは、歌舞伎特有の舞台装置で、客席にむかってせり出した道のこと。重要な場面や登場シーンなどで、役者は花道を通ります。
Picture courtesy of 株式会社歌舞伎座
こちらが実際の花道。細い花道に立ち止まって見得を切り(ポーズを決めて)、役者が観客の視線を独り占めにする場面では、ゾクゾクするような感動を味わえます。
歌舞伎座ギャラリーでは、ほかにも実際に使用された衣装などが展示され、歌舞伎の舞台裏を知ることができます。
体験コーナーが充実しているので、実際に歌舞伎を観たことがなくても楽しめますが、実際に歌舞伎を観たあとなら、さらに深く歌舞伎の面白さを味わうことができるでしょう。
歌舞伎座ギャラリーの料金は、一般:600円/小・中学生:500円(小学生未満無料)と低価格。クレジットカードは利用できませんのでご注意ください。
歌舞伎座ギャラリーへのアクセス
歌舞伎座ギャラリーと、歌舞伎座の入り口は異なります。
歌舞伎座の正面入り口に立ち、左方向に歩いていきます。角のカフェ「PRONTO」を右に曲がると、写真のような入り口が見えてくるので、ここからエレベーターで5Fまで上がりましょう。
2.歌舞伎みやげが勢揃い!「木挽町広場」
歌舞伎座へ行った際には、ぜひ「木挽町広場(こびきちょうひろば)」に立ち寄ってみてください。歌舞伎座のB2Fにある、誰でも入れるおみやげ商店街です。
歌舞伎に関するおみやげだけでなく、和菓子や日本手ぬぐいなど、定番の日本みやげも販売されています。
地下鉄日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」直通なのでアクセスも抜群。もちろん歌舞伎の公演チケットを購入していない方でも、買い物をすることができます。
数ある商品の中から、歌舞伎座ならではの、オススメ商品をご紹介しましょう!
※:木挽町広場のお店は定期的に入れ替わるため、本記事で紹介した商品がない場合があります。
プレゼントにも!「歌舞伎座フェイスパック」
「隈取り(くまどり)」と呼ばれる、歌舞伎独特のメイクをデザインした美容パックです(税込900円)。自分でつけるもよし、誰かにプレゼントするもよし。喜ばれることまちがいなしです。
2015年に、人気マンガ『ONE PIECE』を原作とした新作歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』が上演され、大ヒットとなりました。これはそれを受けてのコラボフェイスパック。ワンピース好きの方もぜひ!
ほかにもたくさん「隈取りグッズ」
木挽町広場では、いたるところで隈取りがデザインされたグッズに出会えます。こちらはあぶら取り紙。汗をかいたりしたときに顔のテカリを抑えることができます(税込345円)。
変わったところでは、お箸も。野球のバットをリサイクルして作ったお箸で、隈取りデザインは歌舞伎座限定です(税抜2,000円)。
気軽に買える「名場面ポストカード」
歌舞伎の名場面がデザインされたポストカード。安くて持ち帰りやすい、おみやげの定番です(税込100円)。
黄金に輝くこちらのポストカードは、有名な演目『勧進帳(かんじんちょう)』のラストシーンを描いています。
気になったものを試食できる「和菓子」
木挽町広場内には、和菓子店が並ぶエリアもあります。多くのお店で試食を行なっているので、気に入ったものを買ってみてはいかがでしょうか?
お菓子によっては賞味期限が短いものもありますのでご注意ください。
木挽町広場へのアクセス
先ほども書いたように、木挽町広場は、歌舞伎座のB2Fにあります。
都営浅草線・東京メトロ日比谷線「東銀座駅」にも直結しています。ホームを降りて3番出口へ向かう途中に、木挽町広場が見えてきます。写真のエスカレーターを上がれば、すぐ歌舞伎座です。
歌舞伎座の内部から木挽町広場へは直接行けません。一度外に出てから、正面入り口向かって右にあるエスカレーターで下りていきます。下りたところに、木挽町広場があります。
歌舞伎座を遊びつくそう!
ご覧いただいたように、特に準備をしなくとも、歌舞伎座で楽しめることはたくさんあります。ぜひ、歌舞伎座を楽しみ尽くして、充実した日本旅行にしてください!
In cooperation with 株式会社歌舞伎座
本記事は、2015年9月30日に公開された記事をリライトしたものです。