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京都の伝統的な名物グルメ12選。おすすめ店も紹介
京都には、古くから独自の食文化が根付いてきました。本記事では、そんな京都で発祥した人気グルメ・料理を紹介!宇治抹茶からおばんざい、そして京菓子まで、それぞれの特徴とおすすめのお店をまとめました。
京都でおすすめの名物グルメ12選
京都の伝統的な料理は「京料理(きょうりょうり)」と呼ばれています。また京都で育てられる野菜は「京野菜(きょうやさい)」といいます。
この京野菜や京料理をはじめ、料理の出し方、お店のデザインなど、京都はほかの日本の地域とは異なる食文化を創り上げてきました。
最近は、観光客などのために少しずつ変わってきていますが、それでも京都らしさがそこら中にあふれています。京都を訪れた際は、ぜひ京都グルメを味わってみてください!
京都でおすすめの名物グルメ12選
1. 宇治抹茶
2. おばんざい
3. 京寿司
4. 京つけもの
5. 京懐石
6. 湯葉(ゆば)
7. 京菓子
8. にしんそば
9. 衣笠丼
10. 流しそうめん(夏)
11. うなぎの錦糸丼
12. 精進料理
1. 宇治抹茶
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「宇治抹茶」は、いまや世界における日本の抹茶の代名詞となっています。
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宇治は日本で最も多くの抹茶を生産しており、その豊かな香りが人気を集めています。
抹茶ラテは珍しくありませんが、伝統的な茶室での茶道体験をしたり、地元の人々に愛される抹茶を使ったデザートを味わったり、より本格的な体験もできます。
Picture courtesy of PR Times
「辻利兵衛本店」は、宇治抹茶を使用したパフェや和菓子を専門にしています。創業は近世にさかのぼり、現在では代々受け継がれた技術を駆使し、最高級の抹茶を提供することで知られています。
抹茶だけでなく、京都の茶文化は、緑茶、玉露、煎茶、そして焙じ茶(ほうじ茶)にまで及び、若手の茶師による日本産紅茶への関心も高まっています。京都に訪れる際は、抹茶だけでなく、他の茶の種類にもぜひ挑戦してみてください。
2. おばんざい
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「おばんざい」は、京都の伝統的な家庭料理で、今は居酒屋などにも受け継がれています。
季節ごとの食材を使った副菜で、煮物、炒め物、干物などがあります。味噌で煮た魚や野菜、漬物などの家庭的な料理が、おばんざいのラインアップに登場します。
料理はあらかじめ作られていますが、注文に応じて温め直して提供されます。
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おばんざいは迅速に提供できるため、酒の肴としても広く人気があります。
【おすすめ店舗:煮野菜おにかい】
住所:京都市中京区河原町通四条上ル米屋町388 2F
営業時間:17:00~23:00(ラストオーダー22:30)
3. 京寿司
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「京寿司」は、主にちらし寿司、押し寿司、てまり寿司の3種類から成ります。江戸前寿司とは異なり、京寿司は保存技術がより高度で、味も強めのものが特徴です。
中でも有名なのは「さば寿司」で、これは酢でしめた鯖を押し寿司の形にしたもので、強い酢の味としっかりした食感が特徴です。京都駅の駅弁売り場で購入して、新幹線で味わうのもおすすめです。
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「てまり寿司」は、握り寿司よりも小さく丸い形状をしています。舞妓や芸妓が食べやすいように考案されたと言われており、実際にひと口サイズなので、唇に触れたり、メイク崩れえをきにすることなく食事が楽しめます。
京都の祇園にある「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」では、朝食にてまり寿司を楽しむことができます。
ちらし寿司は、細く切った卵焼きや茹でたエビ、かまぼこ、蒸し鰻や調理された椎茸やきゅうりなどの具材が美しく並べられています。
色とりどりの具材が乗ったちらし寿司は、生の食材はほとんど使われておらず、子どもに人気です。
4. 京つけもの
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京都には、魚や野菜を使った発酵食品の漬物にも深い歴史があります。
京都の代表的な漬物には、千枚漬け、すぐき、しば漬けなどがあります。千枚漬けは、薄くスライスした白い大根を塩、昆布、唐辛子などの調味料で漬け込み、木の樽で熟成させた伝統的な漬物です。
すぐきは、春先に発酵させた酸味のあるカブの葉を塩で漬けたもので、元々は春から夏にかけて、神社の世話をしている家族や貴族の間で楽しむことが多かったものです。現代では、温室を使って2週間ほどで仕上げることができますが、昔は季節限定の特別な漬物でした。
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しば漬けは、京都の漬物の中でも特に有名で人気の漬物です。ナスを塩と赤じそで漬けて作られ、赤じその色でナスが美しい紫色に発色します。しば漬けはシャキシャキした食感とさっぱりした味わいが特徴です。
【土井志ば漬本舗】
住所:京都市左京区八瀬花尻町41
営業時間:9:00~17:00
年中無休
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5. 京懐石
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「懐石料理」は、今では何時間もかけて楽しむ豪華な多皿料理として知られています。その起源は非常に質素なものでした。
「懐石」という名前は、僧侶が空腹をしのぐために用いた温かい石に由来しています。当初の懐石料理は、3つの小さな副菜とご飯、味噌汁からなる簡素なものでした。
しかし、懐石が発展するにつれて、支配階級や茶道との関わりが深まり、現在の形へと変化しました。芸術と食事が融合したのです。
京都は懐石料理の発祥地とされており、古くからの伝統を受け継いだ懐石料理は「京懐石」として知られています。
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懐石料理は、10皿以上になることもあり、料理で日本の食文化における「五法」の調和を体現しています。五法とは五色、五味、五法といった要素のことです。
京都のミシュラン三つ星レストラン「京懐石 吉泉」のような本格的な懐石料理では、季節や天候、そしてお客様の気質や背景に応じて、毎日異なる内容が提供されます。
【京懐石 吉泉】
住所:京都府京都市左京区下鴨森本町5
営業時間:
ランチ:12:00~14:00(ラストオーダー13:30)
ディナー:18:00~22:00(ラストオーダー21:00)
日曜・祝日定休
6. 湯葉(ゆば)
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京都では大豆を使った食材・料理が豊富です。シンプルな湯豆腐や冷奴のような豆腐料理ももちろん魅力的ですが、なかでも「湯葉(ゆば)」は一味違う存在です。
湯葉は、豆乳を温めると表面にできる薄い膜のことで、豆腐が固まる前にできるこの膜は、栄養豊富なうえに独特の食感を持っています。湯葉は乾燥させて保存することも、新鮮なまま楽しむこともできます。
湯葉は冷たくしても温かくしてもおいしく食べられ、時には麺の代わりに使われたり、ご飯の上に乗せて寿司として楽しむこともあります。新鮮な湯葉は大豆と水だけで作られます。新鮮な時は湯葉は非常に柔らかく滑らかなものですが、乾燥した湯葉は肉のような食感になり、煮物や鍋料理にぴったりです。
「千丸屋」は1805年創業の湯葉専門店で、手頃な価格で湯葉を主役にした料理を提供しています。湯葉はさまざまな方法で楽しむことができ、乾燥させた湯葉をチップスとして提供することもあり、これは日本酒やビールとの相性が抜群です。
【千丸屋】
住所:〒604-8123 京都府京都市中京区堺町通四条上る八百屋町541
アクセス:地下鉄烏丸線四条駅より徒歩7分
営業時間:販売 10:00~18:00 食事 10:00~15:00
定休日:水曜日
7. 京菓子
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京都の歴史的な茶文化で扱われる茶菓子は、非常に繊細で美味しいものです。京都の和菓子は「京菓子」と呼ばれています。
茶道の席では濃い抹茶の苦味を和らげるために、一口サイズの菓子が提供されます。伝統的な京菓子の種類には、季節ごとに異なる装飾が施された柔らかい餡菓子の「練り切り(ねりきり)」、乾いた菓子である「干菓子(ひがし)」、そして餡を挟んだ最中(もなか)などがあります。
干菓子は最もシンプルで繊細な和菓子で、「和三盆」という細かく挽いた砂糖粉を固めて作られています。サクサクとしたほろほろした食感が特徴で、バターを使わないショートブレッドクッキーに似ているとも言われます。
干菓子は長く保存できるため、優雅なお土産としても人気です。
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最中は、米粉で作られた薄い皮を焼き上げた、パリッとした食感のお菓子です。中には主にこしあんやつぶあんが入っており、甘さと皮の香ばしさが絶妙に組み合わさっています。
現代ではさまざまな味の最中が楽しまれています。抹茶餡の最中は京都らしい特別な和菓子で、京都の土産店で購入できます。
また、京都の多くの和菓子店や土産物店で購入可能な京菓子「八つ橋」も有名です。八つ橋は、もち米の粉を主成分とし、砂糖や水を加えて練り、薄く伸ばした生地でこしあんやつぶあんを包んだものです。
生地には、主にシナモンや抹茶、黒ごまなどの風味が加えられることが多く、色とりどりの見た目が特徴です。もちもちとした食感と、あんこの甘さが絶妙です。
伏見稲荷大社の近くなど、京都に古くからある体験教室で、簡単な和菓子作りを体験してみてはいかがでしょうか?
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8. にしんそば
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「にしんそば」は魚を保存する必要があったことから生まれました。京都は海から遠い場所なのです。
にしんそばは、特に年配の方や田舎の人々に人気のある素朴な料理です。
「にしん」とは、甘く煮たニシンのことで、砂糖と塩で煮て半乾きにし、保存食にしたものです。ジャーキーのような食感で、濃厚ながらも控えめな味わいがクセになるうま味のある食材です。
このにしんが、香ばしいそばの上にのせられると、にしんの旨みがだしに染み込み、まろやかな京風だしに奥行きのある味わいが加わります。にしんそばは、軽い味のだしや、にしんの甘辛い風味を引き立てる香り豊かな薬味など、京都の伝統的な食文化に影響されています。
京都でにしんそばを味わうなら、元祖である「京都総本家にしんそば」がおすすめです。にしんそばは1800年代に初めて提供され、今でも伝統的な味と調理法が守られています。
【京都総本家にしんそば 松葉】
住所:京都府京都市東山区四条大橋東入ル川端町192
営業時間:10:30~21:00(ラストオーダー20:30)
定休日:水曜(祝日の場合は営業)
9. 衣笠丼
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「衣笠丼」は、シンプルな材料で作られている丼です。しかし歴史的な背景は実にユニーク。
衣笠丼はたんぱく質をだしと卵で煮込んでふわふわの旨味たっぷりの卵とじを作る、伝統的な料理です。揚げ豆腐(あぶらあげ)やうすあげ、玉ねぎ、卵を使っており、カツ丼や親子丼のような肉を使った丼物の代わりに食べられるものです。
このボリューム満点な料理は、京都で広まりました。衣笠という名前は傘の裏側に張られる絹に由来しています。しかし名前の由来には、京都にまつわる別の伝説があります。
平安時代(794~1185年)、天皇が夏に雪山の景色を楽しむため、衣笠山の頂上を白い絹で覆ったという言い伝えがあります。
揚げ豆腐と卵黄が混ざった柔らかな卵白が、まるでこの言い伝えに出てくる雪化粧の山に似ていることから、この名が付けられたとされています。
衣笠丼を味わいたい方は、1900年代初頭から営業している老舗「やっこ」で試してみてください!
やっこ
住所:京都府京都市中京区夷川通室町東入ル冷泉町76
営業時間:月曜~金曜 11:30~19:00、土曜 11:30~14:30
定休日:日曜・祝日
10. 流しそうめん(夏)
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流しそうめんは、「京都貴船」の川辺で楽しめる、夏の特別な料理です。
そうめんは主に暑い夏の時期に食べられる非常に繊細な細麺です。流しそうめんでは、特別な仕掛けを使って、準備されたそうめんを直接お客さんに届けます。
流しそうめんは竹の筒に水とそうめんを流す仕組みです。1950年代に新鮮な湧き水を利用することで始まりました。
店員が竹の筒を使ってそうめんを流し、それをお客さんが箸で取って、つゆに浸して食べます。
そうめんは非常に滑りやすいため、うまく掴むにはコツがいります。「いくよ!」という掛け声にあわせて、箸を水の中でダムのようにせきとめて取ってみましょう。
京都の中心街から少し離れた場所にある「ひろ文」では、流しそうめんを体験できます。
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11. うなぎの錦糸丼
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「うなぎの錦糸丼」の発祥には諸説ありますが、「京極かねよ」は錦糸丼が京都発祥であると言っています。
地元で人気のうなぎの錦糸丼は、うなぎと卵焼きの組み合わせをぜひ楽しんでみたい一品です。
うなぎの錦糸丼はそのふわっとした甘さとクセになる丼のあたまが特徴です。これは、ミシュラン掲載の京極かねよの四代目が発明したという説も。京都のうなぎは、江戸前(東京風)とは切り方や調理方法が異なります。
うなぎは炭火で直接焼かれ、脂が溶けて柔らかくなるのを待ってから、関西風のタレが塗られます。この焼き方のおかげで外側の皮がカリッと、内側の身がふわっと仕上がり、出汁を使った卵焼きと絶妙に絡み合います。
京極かねよ
住所:京都市中京区六角通新京極東入松ヶ枝町456
営業時間:昼の部:11:30~15:30 夜の部:17:00〜20:30(ラストオーダー20:00)
定休日:水曜
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12. 精進料理
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最後にご紹介するのは、お寺巡りの際に食べたい僧侶の料理「精進料理」です。
精進料理は、地球と人体の調和を重視した料理法です。精進料理はほぼ完全にヴィーガンです。過酷な修行や修行後の体力回復のために、僧侶は少量の肉を食べることを許可されている場合もあります。
精進料理の典型的な料理には、春には山菜、冬には根菜類が使われ、豆や豆腐などの大豆製品からたんぱく質を摂取します。ニンニクや唐辛子などの強い香辛料は避けられますが、精進料理は味わいが豊かです。
精進料理は、懐石料理と同じく「五」の原則を使っているため、料理を健康的で特色あるものになっています。五法には、五つの色(緑、黄、赤、黒、白)、五つの味、そして五つの調理法を使用することが含まれます。
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