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昔の天皇家の住まいがモデル!? 京都「平安神宮」
平安神宮敷地内は京都に都が移った当時の大内裏(だいだいり:天皇の住まい)を復元しています。実際のサイズの8分の5の規模ではありますが、1200年以上前の京都の雰囲気を感じ取ることができます。
京都市左京区の岡崎公園は、京都国立近代美術館や京都市動物園など、京都市内の文化・観光施設が1か所に集まる、観光客にはありがたいエリアです。
そんな岡崎公園の一角に、空を覆(おお)うようにそびえ立つ、巨大な赤い鳥居(とりい)があります。
鳥居といえば、神社の入り口を示す施設。しかし鳥居の周囲にそれらしき建物はありません。実はこれ、「平安神宮」という神社の入り口を示す鳥居です。
上に示した写真をよく見てください。鳥居の間を貫く道路の先に、日本的な建物が小さく映っているのがわかるでしょうか? これが平安神宮の正面入口である「応天門(おうてんもん)」です。
鳥居を抜けて参道(さんどう:神社に行くための道)を進むと、もう少しはっきりと見えてきます。平安神宮がいかに大きな神社なのかがよくわかります。
ここまで近づいて、ようやく「平安神宮」と書かれた石柱が現れます。
古(いにしえ)の天皇を祀る、新しい神社
平安神宮は、1895年に創建された京都にある神社の中では比較的新しい神社です。初めて京都を日本の都とした、「桓武天皇(かんむてんのう)(737年〜806年)」を神様として祀っています。
さらに1940年には、京都で過ごした最後の天皇である孝明天皇(こうめいてんのう)(1831〜1867)が新たに祀られました(現在の皇室の住居は東京あります)。
ちなみに建物も含め、敷地内は京都に都が移った当時の大内裏(だいだいり:天皇の住まい)を復元しています。実際のサイズの8分の5の規模ではありますが、1200年以上前の京都の雰囲気を感じ取ることができます。
過去の天皇を祀っている神社であることから、平安神宮ではいたるところに天皇家の家紋(かもん:家ごとに決まっているマーク。紋章)である菊(きく)があしらわれています。
こちらの写真は、菊の家紋が描かれた提灯(ちょうちん:日本独自の照明)です。他にも菊の紋章がいたるところにありますので、平安神宮を訪れた際は、ぜひ探してみてください。
古き京都の趣を感じられる拝殿
応天門を通り抜けると、白い小石(玉砂利)が全面に敷かれた、開けた空間に出ます。
中央に見えるメインの建物が、「外拝殿(がいはいでん)」。普通の神社と同じように、お金を供え、参拝を行う建物です。
参考記事:いまさら聞けない 神社の正しい参拝方法
外拝殿は、大内裏の中にあった大極殿(だいごくでん)を模しています。大極殿は天皇の即位式など、国家的な儀式が行われていた建物です。
右近の橘
左近の桜
外拝殿のすぐ手前には、2本の木が外拝殿を左右から守るように生えています。外拝殿から応天門側を見たときに左にあるのが「右近の橘(うこんのたちばな)」、右側にあるのが「左近の桜(さこんのさくら)」という名前の木です。
かつての大内裏にあった同名の木々を模して、平安神宮内に植えられました。現在でも日本人は毎年春に桜の花を鑑賞する花見を行いますが、1200年以上昔から桜は日本人の身近にある植物だったのです。
橘(たちばな)とは、柑橘類のひとつで小さなオレンジのような実をつける木です。かつての日本では不老長寿(ふろうちょうじゅ:年をとらず長生きできること)の薬と考えられていました。
季節を通じて日本の自然美を鑑賞できる「平安神宮神苑」
外拝殿を参拝したあとは、平安神宮の周囲に広がる「平安神宮神苑(へいあんじんぐうしんえん)」に足を運んでみてはいかがでしょう?
平安神宮神苑は、約33,000平方メートルの広さを持つ日本庭園です。春には桜、夏には花菖蒲(はなしょうぶ)、秋には紅葉、冬には雪景色が楽しめます。
参考記事:【雨の日】京都「平安神宮」の花菖蒲が薫る、とこしえの自然美
10月に来たら、年に一度の大イベント「時代祭」を見てみよう!
京都3大祭りのひとつ時代祭(じだいまつり)は、平安神宮を舞台に行われます。
「時代(じだい:jidai)」とは、英語で「Era」。時代祭はその名の通り、京都の時代や歴史を1日で見通すことのできるお祭りです。
お祭り自体は毎年10月15日〜23日の間に開かれるのですが、一番の注目は22日に行われる風俗行列(ふうぞくぎょうれつ)。日本のさまざまな時代の装いに身を包んだ人々が、行列を作って京都の町を練り歩きます。スタート地点は京都御所(きょうとごしょ:京都における天皇の住まい)で、ゴール地点が平安神宮になります。
日本の風俗や文化を、間近に体験できる絶好の機会。10月に平安神宮へ来るのなら、必見のイベントです。
おわりに
平安神宮は、日本の伝統的な雰囲気を全身で味わえる好スポット。平安神宮神苑のほか、近くには動物園や美術館など施設もあり、平安神宮を中心に小回りの効いた京都観光が可能です。興味の湧いたかたは、ぜひお越しください。
photos by PIXTA
Information
平安神宮
住所:京都市左京区岡崎西天王町
営業時間:06:00〜18:00(神苑拝観受付時間は08:00〜17:30)
定休日:年中無休
Wi-Fi環境:-
クレジットカードの有無と種類:-
言語対応レベル:日本語
他言語メニューの有無:英語
最寄り駅:地下鉄東西線東山駅、京阪鴨東線三条駅または神宮丸太町駅徒歩15分
アクセス:東山駅から徒歩10分、三条駅または神宮丸太町駅から徒歩15分
価格帯:-
宗教情報:神道
電話番号:075-761-0221
公式HP:平安神宮
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MATCHAで最高の仕事をしている編集・プロデューサーです。