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【日本の春】3月~5月のまつりと行事を体験してみませんか?
日本には伝統的な行事やまつりがたくさんあります。今回は、春(3月、4月、5月)に行われる行事や特徴的なまつりをご紹介します。ぜひ日本観光の際に日本の文化や風習に触れてみてください。
冬の寒さが和らいで陽の光がまばゆく感じられ、草木が芽吹き始めると、日本に春が訪れます。こうした春の様子を、日本人は「春爛漫」と表現し、希望に満ちた前向きな季節ととらえています。日本の春のまつりや行事をご紹介しましょう。
目次
1.3月のまつりと行事
2.4月のまつりと行事
3.5月のまつりと行事
3月のまつりと行事
お水取り
毎年3月1日から2週間にわたり、奈良市の「東大寺二月堂」で行われる「お水取り(おみずとり)」は、仏の前で罪を懺悔し、平和な世界などを祈願する行事。
8世紀から一度も途絶えたことのない古い仏教行事で、お水取りが終わる頃には暖かくなることから「春を告げる行事」として知られています。
お水取りのクライマックスは、3月12日の深夜(13日の午前1時半ごろ)。
直径1メートルほどの大きな籠松明(※1)がたかれ、若狭井(わかさい)という井戸から本尊である十一面観音(じゅういちめんかんのん)に供えられる「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。
ダイナミックで見ごたえがありますが、この日は大変混雑して入場規制があります。12日以前でも毎晩19時には大鐘がつかれ、その合図で松明が毎晩灯され、幻想的な雰囲気が味わえます。見学したい方は公式HPをご確認ください。
※1……籠松明(かごたいまつ):長さ6メートルほどの根付きの竹の先端に、杉の葉やヘギ・杉の薄板でカゴのように編まれた、直径約1mの松明。一般的に「松明」とは、マツのやにの多い部分をタケやカヤ、枯れ草などと束ねて、先端に点火して照明に用いたもの。
ひなまつり
3月3日の「ひなまつり」は、ひな人形と呼ばれる貴族の衣装を着た華やかな人形を飾り、女の子のすこやかな成長を願う行事です。
女の子にいる家庭では、ひな人形とともに桃の花を飾り、白酒(※2)やちらし寿司(※3)、蛤という二枚貝の汁物などを家族そろって楽しみます。
「人形の寺」として知られる「宝鏡寺」(京都市上京区)では、毎年3月1日~4月3日、歴代の女性皇族が持っていた人形などが展示されます。
3月1日(11時~11時半)には、ひな人形が飾られた本堂で、日本舞踊や琵琶(びわ)と歌の生演奏なども披露されます。
※2……白酒(しろざけ):焼酎(しょうちゅう)などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1カ月ほど熟成させたものを軽くすりつぶして造った酒のこと。白く濁り粘りと甘みがあり、アルコール分は9%前後。
※3……ちらし寿司(ちらしずし):器に入れた酢飯の上に、薄焼き卵を細切りにした錦糸卵(きんしたまご)、エビ、アナゴなどの具を散らして作る寿司の一種。特別な日のごちそうとされている。
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4月のまつりと行事
花見
3月の下旬から、暖かい南の地方から「桜前線」と呼ばれる、桜の開花情報が伝えられます。一般的に、日本人が「花見」というときは桜の花を見ることを指し、各地の桜の名所が人気です。
たとえば、京都市伏見区の「醍醐寺」は、1598年春に、当時の最高権力者である豊臣秀吉が、1000名を超える臣下を従えて盛大に催した「醍醐の花見」として知られた寺です。
現在でも、毎年4月第二日曜日に、「豊太閤花見行列」が開催されています。世界文化遺産の境内にはさまざまな種類の桜が咲き、多くの見物客でにぎわいます。
入学式
欧米では9月に行われる「入学式」が、日本では4月の代表的な行事となっています。国の会計年度も4月から、企業が学校を卒業した新入社員をまとめて迎える「入社式」も4月。
4月をスタートとするのは日本独自の習慣といえるでしょう。お祝いのセレモニーである「入学式」の様子は、校庭で美しく咲いた桜の花とともに、テレビニュースなどで放映されます。
5月のまつりと行事
流鏑馬神事
毎年5月3日、京都市左京区の「下鴨神社」では、5月15日から行われる「葵祭」の前の儀式として、疾走する馬に乗りながら、弓矢で的を射抜く「流鏑馬神事」が行われます。
昔の貴族の衣装をまとった射手が、35メートルの馬場に100メートル間隔で設置された3つの的を順に射抜く姿は、勇壮そのもの。13~15時半までで、見学は無料です。(写真が鎌倉)
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葵祭
Picture courtesy of JNTO
「葵祭」は、祇園祭・時代祭と並ぶ、京都の三大祭りの1つ。
京都御所から下鴨神社・上賀茂神社へ続く8キロメートルの道を、優雅な衣装をまとった総勢約500名とともに、馬数十頭、牛、牛車なども加わった行列がねり歩きます。
10時半に京都御所を出発し、上賀茂神社に到着するのは15時半ごろ。雨天順延です。
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端午の節句
5月5日は「端午の節句(たんごのせっく)」と呼ばれ、男の子の成長を祝う日です。1948年から、この日は国民の休日として制定され「こどもの日」とも言われています。
男の子のいる家では、生命力が強く出世の象徴とされる鯉に由来した「こいのぼり」を、家の外に飾ります。
また、災厄をはらうため、薬草のショウブの葉を風呂に入れた「しょうぶ湯」につかり、柏(かしわ)の葉に包んだ「かしわ餅」という、小豆を煮て砂糖を加えて練った「あん」の入った和菓子を食べる風習があります。
この日、「しょうぶ湯」は町の銭湯(※4)でも体験できますし、「かしわ餅」はコンビニでも買うことができます。
※4……銭湯(せんとう):日本の公衆浴場の1つ。入口で、「男湯」と「女湯」に分かれている。
神田祭
「神田祭」は、東京都千代田区の「神田明神」で、5月の中ごろに6日間に渡って行われるまつりです。
京都市の八坂神社の祇園祭、大阪天満宮の天神祭と並ぶ、日本三大祭りの1つとされています。
なかでも、5月15日に近い土曜日に行われる「神幸祭」は、朝から夕方まで、神田、日本橋、丸の内、秋葉原などの町を、華麗な神輿とともに大行列が巡行し、多くの見物客を楽しませてくれます。
※本記事は2015年12月28日に公開した記事をリライトしたものです。