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日本のことば事典「東海地方」
訪日観光客向けに、難しい日本語や日本ならではの用語について解説します。今回は「東海地方」。日本列島・本州の真ん中に位置する地域、東海地方にある県や観光名所についてご紹介しています。
東海地方とは、太平洋に面する愛知県、静岡県、岐阜県で構成された本州の真ん中に位置する地域です。夏に降水量が多く冬に晴天の多い気候で、人口約229.8万人(2016年時点)の名古屋市を地域最大の都市として擁しています。
東海地方には世界最大手の自動車メーカー・トヨタ自動車の本拠地があり、自動車産業がこの地域の経済の主軸を担っています。そのため経済規模は大きく、関東・関西地方に続く第3の経済地域と呼ばれています。
東海地方は関東、関西とは異なる独自の文化を持つ地方です。冠婚葬祭、特に結婚に関するしきたりは独特なことで有名です。
東海地方へのアクセス
東海地方は日本のほぼ中央に位置することから、アクセスも便利です。東京から東海地方への移動で、一番のオススメ交通手段は新幹線です。東京から名古屋駅まで所要時間は2時間前後で、本数も多く運行しています。
東海地方最大の空港は「中部国際空港」で、フライト時間は約1時間で、1日3便(2022年5月現在)就航しています。中部国際空港から名古屋駅までは名古屋鉄道で最速28分です。
各県の観光スポット
東海地方には日本を代表する観光スポットが数多くあります。
愛知県の名古屋城は屋根に取り付けられた金のしゃちほこ(※1)が有名です。名古屋城は入場料500円、7F建てで、1Fから5Fまでは展示室、7Fは展望室となっています。7Fまでは階段はもちろん、エレベーターもあり、体力に自信のない方も安心です。
また、英語でのガイドツアーもあるので、日本語があまり得意でない方もお城について学ぶことができます。
※1…しゃちほこ:しゃち(頭は虎、体は魚で、尾ひれは空を向き、背中に鋭いとげを持った想像上の動物)をかたどった屋根要の装飾
静岡県は日本一の山、世界遺産にも登録された富士山で有名。富士山は隣の県である山梨県にもまたがっていますが、静岡県側には火口があり、山梨県とは異なった山の表情を見ることができます。
岐阜県の白川郷も美しい昔ながらの日本の住居群「合掌造り(※2)集落」が世界遺産に登録されています。
静かな大自然の中、温泉を楽しみ、地元の食材を使った伝統料理を味わい、囲炉裏(※3)のある家屋に宿泊し、昔の日本にタイムスリップしたような体験をすることができます。
※2…合掌造り:屋根の形が合掌(手を合わせること)したようなっている日本の住宅建築様式のひとつ
※3…囲炉裏(いろり):伝統的な日本の家屋の床を四角く切り抜き、火をたいて、暖房・調理に利用する炉
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東海地方の名物料理・おみやげ
東海地方は料理の味付けに関しても、関東、関西とは異なった独自のものを持っています。
愛知県は、名古屋では一般的な八丁味噌という赤い味噌を利用した「味噌カツ」、「味噌煮込みうどん」が名物料理です。他にも、ウナギの蒲焼きを刻んでご飯にまぶした料理「ひつまぶし」、天ぷらが具のおにぎり「天むす」、手羽先の唐揚げ、平たい麺の「きしめん」、米粉・砂糖・湯水を混ぜて蒸した和菓子「ういろう」が愛知県の名物として挙げられます。
岐阜県は、ネギや山菜・キノコに味噌をからめて朴の葉に載せて焼いた郷土料理の「朴葉味噌(ほおばみそ)」やつぶしたご飯を串焼きにした「五平餅」が有名で、静岡県はお茶、桜エビ、ウナギが名産品です。
美味しいグルメに世界遺産、旅の魅力満載の東海地方は訪れてみる価値のあるエリアです。
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