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神の宿る三輪山を崇める日本最古の神社、奈良県「大神神社」
奈良県桜井市にある、日本で最も古い神社のひとつ「大神神社」。神話にも登場し、古来から三輪山を「神の宿る山」として崇めています。日本全国から参拝者が集まる有名スポットです。ぜひ1度訪れてみてはいかがでしょうか。
拝殿周辺の様子
拝殿は鎌倉時代(1185~1333)に創建されたと伝えられていますが、現在の建物は1664年に、将軍・徳川家綱(とくがわいえつな)によって再建されたものです。
切妻造(きりづまづくり)と呼ばれる山の形をした屋根は、檜(ひのき)の皮を使っています。正面には曲線の美しい唐破風(からはふ)という屋根の装飾もみえます。
拝殿の奥には3つの鳥居が組み合わさった形をした、「三ツ鳥居」があります。ここから三輪山を参拝します。
拝殿前にある、樹齢500年を超える大きな杉の木。「巳の神杉(みのかみすぎ)」と呼ばれています。
"巳"とは蛇のことで、この杉の木には大物主大神の化身のひとつ、白蛇が棲んでいるとされています。
蛇の大好物は卵と言われており、境内のさまざまな場所で卵がお供えされていますよ。
運気アップに効く!ウサギのブロンズ像
拝殿の横にある参集殿(さんしゅうでん)の玄関に、愛らしいウサギのブロンズ像があります。このウサギを撫でると、撫でた部分の体の痛みを癒してくれるのだそう。
また、運気もアップすると多くの参拝者が撫でるため、兎もピカピカです。
そのほかのオススメスポット
水の守護神「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」を祀る、市杵島姫神社。市杵島姫命は、世界遺産である広島の厳島神社のご祭神でもあります。
近くに井戸をもつ狭井神社(さいじんじゃ)。
狭井神社の"狭"は「神聖な」、"井"は「井戸」という意味で、名前の由来となった「薬井戸」から沸く御神水(ごこうずい)には、いろいろな病気を治す強い力があると言われています。
そのため、全国各地から水を汲みに来る人が後を絶ちません。
三輪山では、入山して参拝する、「三輪山登拝(みわやまとはい)」が可能です。ただ、普通の登山やハイキングとは違って入山には制限があり、狭井神社で許可を受けなければいけません。
海外の方は日本語がある程度理解できること、もしくは日本人の同伴者がいることをオススメします。
標高は467mとそれほど高くありませんが、急勾配ですので、十分な準備をしてから登拝しましょう。
所要時間は往復で2~3時間です。
狭井神社 登拝受付
受付時間:9:00~14:00
下山報告:16:00まで
登拝料:300円
入山登拝禁止日:1月1日~3日、2月17日、4月9日、4月18日、10月24日、11月23日
大神神社の基礎情報
参拝は自由にできますが、祈祷受付をしている9:00~17:00頃がオススメ。
拝観料は無料で、宝物収蔵庫(毎月1日、土・日・祝日開館)のみ200円です。
大神神社のイベント「大神祭」
大神神社では春(4月8日~10日)と秋(10月23日~25日)に、2000年の歴史をもつ大神祭を開催しています。
「神楽」という巫女による舞いが奉納されるだけでなく、春には神輿や昔の衣装を着た人たちの行列、そして伝統的な演劇「能」が、秋には太鼓を叩く様子や子ども神輿がみられます。
大神神社への行き方
大阪や京都からまず、「JR奈良」駅を目指します。大阪駅からはJR大和路快速で約1時間、京都駅からはJR奈良線で約1時間10分です。
JR奈良駅からは、JR桜井線で「三輪」駅まで約30分。そこから大神神社まで徒歩5分です。
料金は、大阪駅から970円、京都駅から1,140円です。
JR桜井線はワンマン運転といって、運転士1人で運行しており、途中の駅は無人です。無人の駅では、2両ある車両のうち前の車両の1番前と1番後ろの扉しか開きませんので、ご注意ください。
切符は運転席後ろにある運賃箱に入れるか、駅の出口にある箱に入れましょう。
また、週末と祝日には、JRもしくは近鉄桜井駅から大神神社二の鳥居前まで、1時間に1本シャトルバスが出ています。所要時間は約20分で、料金は190円です。
大神神社の周辺の観光スポット
写真提供:安倍文珠院
JR奈良線に再び乗って1駅の桜井駅からは、645年に創建された安倍文珠院や、現存する世界唯一の木造十三重塔が美しい談山神社にアクセスできます。
また、同じ桜井市には四季折々の花が美しい長谷寺もあります。
奈良でぜひ、古代の歴史に触れてみてくださいね。
※移動時間や交通費の情報は各施設の公式サイトからの情報に基づいて掲載しています。2017年7月現在の情報です。変更になる場合がありますのでご了承ください。
取材協力:大神神社
奈良生まれの旅好きライター。日本の魅力を世界の人々に伝えていきたいです。