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旅行前に確認!日本の自然災害~地震、台風など注意事項と対処法~
地震や台風など、日本にはいくつかの自然災害リスクがあり、日本を訪れる方は不安に感じるかもしれません。ここでは災害に遭ってしまった時の対処法や注意事項を紹介します。
予測が難しい自然災害
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自然災害は世界各国で起こる、避けては通れないもの。日本も同様に、地震をはじめとする自然災害が発生します。今回は日本で起こりうる自然災害について、災害の主な種類や起こる時期と場所、そして注意すべきことを紹介します。
旅行中、万が一災害に遭ってしまっても慌てず対応できるよう、本記事をチェックしておきましょう。
地震
日本は世界でも有数の地震大国です。1923年9月1日に関東地方で起こった「関東大震災」、1995年1月17日には神戸市を中心に「阪神・淡路大震災」、そして2011年3月11日には「東日本大震災」が東北地方を襲いました。
2016年4月には熊本地震、2018年6月18日には大阪北部で大きな地震があり、また小さな揺れも日々各地で起こっているのが現状です。
たびたび発生する大地震に備え、日本ではさまざまな対策が取られています。例えば1981年に制定された「新耐震基準」。これ以降の建物は、大規模地震にも耐えうる強度で設計・建築され、大地震が起きても人の命に関わる被害が出ないよう仕組み化されています。
各自治体や商業施設でも、災害対策時のマニュアルを策定し定期的に防災訓練を行うことで、災害対策を行っています。
もしも地震に遭ってしまったら
日本旅行の途中に起こってしまった場合、慣れない土地での災害は自国よりも不安が募りますよね。
もしも地震に遭ってしまったら、すぐに動くと危険です。ビルの上などは耐震構造の関係上、実際のゆれより大きく感じることがあります。頭の上に物が落ちてこないよう、落下する危険のあるものから離れ、頭を守り、揺れが収まるのを待ってから行動しましょう。
海外の方向けにも、防災に対するマニュアルが東京都から出ています。英語・中国語・韓国語版がありますので、こちらで確認してみてください。
津波
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地震の揺れが収まった後でも、火災や建物の崩壊などの2次災害に気を付けてください。とくに沿岸沿いの地域では、地震が起こると津波が発生することがあります。東日本大震災では最大で17メートル近くの津波があったと推定されました。
もしも津波に遭ってしまったら
海に近い多くの地域では、津波の恐れがある場合サイレンなどで危険を知らせる仕組みを作っています。サイレンが聞こえたら、海から離れたなるべく高い場所に逃げてください。
また、木造の建物は倒れてしまう可能性があり危険です。高台に逃げるのが1番ですが、間に合わない場合は鉄筋コンクリートで作られた建物の、可能な限り高い階まで逃げましょう。
台風
日本では毎年夏から秋にかけて、南の方角から台風がやってきます。台風の影響で起こる暴風、大雨により、交通機関が止まってしまったり、お店が閉まったりするリスクがあります。
もしも台風に遭ってしまったら
旅行の計画は崩れてしまいますが、無理して外出しようとはしないでください。台風がきた場合は、宿泊している施設から離れないようにしましょう。
台風は北に移動する間にどんどん力が弱くなっていきます。そのため北海道に台風がやってくることは、ほぼありません。
一方で7〜9月の沖縄には、台風がひんぱんにやってきます。夏の沖縄旅行を考えている場合は、天気予報に注意してください。
冬に日本を旅行する場合、台風の心配はありません。
梅雨の時期や大雨にも要注意
日本には6月に「梅雨」と呼ばれる雨季がやってきます。この季節に日本に来る場合は、雨がくることを予測して旅行計画を立ててください。雨具を用意する、屋外のイベントを避けるなどの対策が有効です。
大雨のときには、山や川には近づかないでください。山では斜面が崩れ落ちてくる土砂崩れが、川では水があふれる洪水が起こることがあります。
また、地下にいると水害が発生する可能性も高くなります。ひどい台風や大雨の場合は地上に避難してください。
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大雪
北海道や東北地方のような北の地域、新潟県のような日本海側の地域では、冬場にたくさんの雪が積もる場合があります。大雪に慣れている場所でも、量が多くなれば移動が困難になったり、電気・ガス・水道などの設備が機能しなくなってしまうことも。
あまり積雪が頻繁でない東京などの都市部では、数センチ雪が降るだけでも交通機関が乱れる可能性が高いので注意しましょう。
もしも大雪に遭ってしまったら
大雪の際に気を付けたいのが、雪崩や道路などでの事故です。
急な斜面に雪が積もっていると、急に崩れ落ちてくることがあります。雪の中に埋もれてしまうと身動きが取れなくなってしまうこともあるので、斜面の近くを歩くときは十分気を付けてください。
また、道が凍って車がスリップしてしまったり、自身が転んでしまったりすることもあります。道路を歩く際、車には十分注意が必要です。外出を避けるのが1番ですが、やむを得ない場合は滑りにくい靴で出かけましょう。もちろん、防寒対策も十分に用意しておいてください。
飛行機は欠航する場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
「大雪」も地域により基準は異なります。毎年雪の多く降る地域では雪まつりやスノーアクティビティが楽しめますので、十分対策をとったうえで冬ならではのレジャーを満喫してください。
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火山の噴火
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災害があったときに落ち着いて対応ができるよう、防災シミュレーションができる施設がいくつかあります。「池袋防災館」や「横浜市民防災センター」などでは無料で体験ができますので、こちらで対処法を覚えておくのもよいですね。
また、JNTO(日本政府観光局)からWebサイト「Safety tips for travelers」やアプリケーション(iOS/ Android)で災害時の情報発信を行っています。
自然とともに育まれた日本文化
日本は自然災害の多い国かもしれません。けれども魅力的な日本文化の多くは、このような自然災害の中で育ってきたものです。火山があるから温泉文化が生まれましたし、地震や台風、大雪に適応するため、日本の建築物は進化してきました。
どうすれば上手に自然と付き合えるかを考え続け、作り上げられた日本と日本文化。困難な自然環境も含めて、愛していただけることをわたしたちは願っています。
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元記事執筆:Hiromasa Uematsu
※本記事は2015年5月17日に公開した記事をリライトしたものです。