ライター Hiromasa Uematsu

いまさら聞けない「日本の自然災害」
地震や台風など、日本にはいくつかの自然災害リスクがあり、それが外国人観光客の方にとっての不安となっています。ただし日本ではそのすべてになんらかの対策がとられており、各個人が正しい準備をしておけば被害の多くは避けることができます。
地震や台風など、日本にはいくつかの自然災害リスクがあり、それが外国人観光客の方にとっての不安となっています。ただし日本ではそのすべてになんらかの対策がとられており、各個人が正しい準備をしておけば被害の多くは避けることができます。
今回は日本で起こりうる自然災害について紹介します。災害の種類や起こる時期と場所、そして注意すべきことを知ることで、少しでも日本旅行の不安を取り除いてください。
地震

日本は世界でも有数の地震大国です。年間大小さまざまな地震が、日本全国で起きています。しかし日本人が日本で暮らしていて、いつも「地震」のことを不安に感じているかというと、そんなことはありません。
地震が多いぶん、日本の建築物は地震に耐えられるよう、工夫して作られているからです。たとえば世界でもっとも古い木造建築は、日本の奈良県にある「法隆寺」です。これは極端な例ですが、ほとんどの日本の建物はある程度の地震には耐えらえるように作られています。
むしろ地震が起きたからといって、焦ってパニックになることのほうが危険です。日本に来て地震が起きた場合は、周りの日本人たちの様子を見て、まずは落ち着いてください。
津波

地震が起こると、海岸沿いの地域にはときに津波がやってくることがあります。よほど大きな地震でなければ津波の心配はありませんが、不安なときはなるべく海岸から反対の方向に避難しましょう。
多くの海に近い地域では、津波の恐れがある場合サイレンなどで危険を知らせる仕組みを作っています。そのようなサイレンが聞こえたら、海から離れたなるべく高い場所に逃げてください。そしてやはり、周りの日本人の様子を確認することも大切です。
海から離れた地域の場合、津波の心配をすることはありません。
台風

日本では毎年夏から秋にかけて、南の方角から台風がやってきます。台風がくると交通機関が止まってしまったり、お店がしまったりするリスクがあります。
旅行の計画は崩れてしまいますが、だからといって無理して外出しようとはしないでください。台風がきた場合は、宿泊している施設から離れないようにしましょう。屋内にいれば、ケガや事故の心配をかなり減らすことができます。
台風は北に移動する間にどんどん力が弱くなっていきます。そのため北海道に台風がやってくることは、ほぼありません。
一方で7〜9月の沖縄には、台風がひんぱんにやってきます。夏の沖縄旅行を考えている場合は、天気予報に注意してください。
冬に日本を旅行する場合、台風の心配はありません。
大雪

北海道や東北地方のような北の地域、新潟県のような日本海側の地域では、冬場にたくさんの雪が積もる場合があります。ただしそれらの地域では大雪に慣れているので、鉄道や一般の家庭でも大雪対策をとっていることがほとんどです。
注意しておきたいのは衣服や靴の対策です。防寒着は十分に用意しておくべきですし、地面がすべりやすくなりますので、すべりにくい靴もひとつ用意しておくとよいでしょう。
飛行機は欠航する場合がありますので、事前にきちんと確認しておきましょう。
雪崩

冬の登山では吹雪や雪崩が大きなリスクとなります。日本人の専門家が同行するのでない限り、冬の雪山登山は避けるべきです。
大雨

日本には6月に「梅雨」と呼ばれる雨季がやってきます。この季節に日本に来る場合は、雨がくることを予測して旅行計画を立ててください。雨具を用意する、屋外のイベントを避けるなどの対策が有効です。
土砂崩れ
大雨のときには、山や川には近づかないでください。山では斜面が崩れ堕ちてくる土砂崩れが、川では水があふれる洪水が起こることがあります。
火山の噴火

日本で地面を深く掘れば、どこででも温泉が湧くと言われています。それほどたくさん地中にマグマが眠っているということです。あの有名な富士山も火山のひとつです。
火山の噴火は地震と違い予測が可能で、大きな噴火の前には必ずその予兆があります。小さな地震が続いたり、火口から煙が吹き出してくるのです。
そのような予兆がある場合は大きな報道がなされますので、ニュースに気をつけていれば、火山の噴火に襲われることはないでしょう。
日本の文化は、厳しい自然環境とともに育ちました
いかがでしたでしょうか? 日本にくるのが怖くなりましたか?
たしかに日本は災害の多い国です。けれどもMATCHAが紹介したいと思っている魅力的な日本文化の多くは、このような自然災害の中で育ってきたものです。火山があるから温泉文化が生まれましたし、地震や台風、大雪に適応するため、日本の建築物は美しく進化してきました。
どうすれば上手に自然と付き合えるかを考え続け、作り上げられた日本と日本文化。困難な自然環境も含めて、愛していただけることをわたしたちは願っています。