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この日本語が翻訳不可能!?日本特有のフレーズを勉強しよう
日本語の中には他の言語に翻訳しにくいものの、相手と会話する際には役に立つものがいくつかあります。この記事ではそんな言葉について考えてみました。
日本語を学んでいると、他の言語にうまく置き換えられない言葉・表現にぶつかることがあります。ある程度まで言い換えることができても、元の言葉が持っていた力強さや意味に欠けることもしばしば。
こちらでは、翻訳の際に言い換えが難しい言葉をピックアップしてご紹介します。
翻訳が難しい日本語
「木漏れ日」
「大阪紅葉スポット5選〜箕面公園・大阪城・大仙公園ほか〜」より
「木漏れ日」は小説などでよく使われている、「木の葉の間から漏れてさす日の光」のことを意味しています。詩的な言葉で、日常で頻繁に使われてはいませんが、ロマンティックな響きがあり、声に出して読みたくなります。
紅葉の美しさを表現する時にぴったり合う言葉です。
「よいしょ」
「夏のイベントいえば夏祭り! 日本の伝統とパワーを体感しよう」より
「よいしょ」は日本の擬音語のひとつで、何かを持ち上げたり、力作業を行う前にかける言葉です。地域によって言い方も異なり、またお祭りでは、お神輿を担ぐ人たちが、掛け声のようにも使っています。
「懐かしい」
取自「從池袋徒步可到!來雜司谷鬼子母神堂散步,體驗「老東京」文化」
「懐かしい」は、思い出のある場所を訪れた時や、今は無いものについて話す時に使う言葉です。特に「昭和時代」を感じられる商店街や、昔ながらの喫茶店に行くと、「懐かしい」が表す雰囲気を感じられます。
ちなみに、私の好きな日本語のひとつが「なんとなく」です。「あいまいな」や「はっきりしない」という意味で、一応理解はしているものの、充分につかんでいない、といった時に使います。
日本語独特の言い回しや表現
「街の人と交流しながら日本の良さを知ろう!季節ごとに行われる西新井のWarm Up Fes」より
日本にいる間は様々な挨拶の言葉に接します。挨拶の中で、「よろしく」「 お疲れ様」「いただきます」「ごちそうさま」は日本で頻繁に使われているにも関わらず、翻訳が困難です。
「よろしく」
「日本の伝統武道を体験!「SAMURAI TRIP」の剣道教室」より
「よろしく」は手紙で使われる「敬具」の意味もありますが、何かを依頼するといった意味合いがあり、日本人以外で挨拶のように使うことは少ないでしょう。
例えば誰かの家に泊めてもらう場合「よろしくお願いします」と挨拶しますが、他の言語では感謝の言葉を述べることがほとんどです。
「お疲れ様」
「お疲れ様」は直訳すると「今日はこれで充分」「お疲れのようですね」と他人にかける言葉であるものの、実際には「頑張ってくれてありがとう」「今日は頑張りましたね」といった、相手の苦労をいたわる意味です。
仕事を終えて退社する際の挨拶や、仕事の後で人と会う時によく使われます。特に、長時間の仕事を終えた後の挨拶として最適です。
「いただきます」と「ごちそうさま」
「知っておきたい、日本の飲食店の変なサービス&ルール10選」より
「いただきます」と「ごちそうさま」は食事に関連する言葉です。「いただきます」は食べる前に言う挨拶で、食べ物、料理をしてくれた人などに向け、食事ができることに対する感謝を表しています。
お祈りに近い気持ちが含まれ、家庭やレストランで、誰かと食事を始める前にはほとんどの日本人が言う言葉です。1人で食事をする時でも、そっと呟く場合もあります。
「ごちそうさま」も同様に「食事をありがとう」といった意味が込められており、食事を終える時に使います。また、「おいしい食事でした」を意味する言葉でもあり、レストランでの会計を済ませる際に調理師やスタッフにかける言葉としても使われます。
「くせになる」
「日本のことば事典「ラーメン」」より
「くせになる」は「習慣になる」という意味ですが、実際には「(何かを)やめられなくなる」といった意味も含んでいます。例えば日本の食事が好きな方は、お寿司やラーメン店、抹茶風味のお菓子があるカフェに通うのが"くせになる"かもしれないですね。
「口さびしい」
取自「【便利商店】日本人私底下嘴饞都愛吃這個!人氣『原創零食篇』」
「口さびしい」は直訳すると「口が孤独」となりますが、特に空腹ではないけれど何かたべたい時に使う言葉です。日本には数え切れないほどのおいしいお菓子、アイスクリームなどのスイーツがあるので、さびしさを紛らわせるのにぴったりです。
他の言語にはない、日本語独特の表現
「もののあわれ」
「もののあわれ」は移ろう自然の美しさを理解、あるいは味わうことを意味しており、日本の芸術や文化の根幹にある美意識を表現しています。
満開の時期が短い桜や夏の花火、生け花、茶道、日本庭園などの日本文化に言えるもので、日本を訪れたことのある人は”なんとなく”理解できるのではないでしょうか。
「七転び八起き」
「地震から身を守ろう! 日本旅行中に地震に遭遇した時の基本マニュアル」より
「七転び八起き」は「7回転んでも8回起き上がる」ことで、何があろうとも挑戦を続けようという意味が込められています。
また、「頑張れ」は、一生懸命な人や挑戦する人を応援する言葉で、困難な状況の人を励ます意味でも使われています。
おわりに
日本を訪れる際には、基本的な挨拶や感謝を表す言葉を知っておくと便利です。しかし、より深く日本の文化を理解しようと思うのであれば、他の言語にはない日本語独特の言い回しも試してみてください。
日本の文化を、言葉を通して体験できると思います。
Born in 1959. Currently working as a freelance translator, after 21 years in various companies.