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雪景色の中で5,000羽の白鳥に会える!?新潟県「瓢湖」と歴史スポット「水原代官所」
新潟県阿賀野市には、11月になると毎年約5,000羽の白鳥が訪れる「瓢湖」という湖があります。冬には一面雪景色の中、白鳥を観察することができます。また瓢湖から徒歩10分の場所には江戸時代に年貢などを徴収した水原代官所もあります。
1.早朝の湖畔から眺める
瓢湖では白鳥が飛び立つ様子、体を休めている様子、餌を求めて餌場まで来る様子など思い思いに過ごす白鳥の様子を観察することができます。
朝のやわらかな光と白鳥が飛び立つ瞬間はとても幻想的。また雪が降ると、白鳥は湖にいることが多いそうです。そのため雪が降る12月〜2月には瓢湖内で多くの白鳥を見ることができるかもしれません。
しかし昼間は白鳥も他の場所へ飛んでいってしまうことが多いとのこと。より多くの白鳥を見たい方は、7:00~8:00に行くことをオススメします。
湖のまわりは散歩道が整備されているので、ゆっくりとまわってみてください。ただし冬は冷え込むので、防寒対策をしてからまわるようにしましょう。
2.「白鳥おじさん」と同じ時間に訪れる
瓢湖では1日に3回(9:00/11:00/15:00)、白鳥に餌を与えています。そのときに餌を与える人が「白鳥おじさん」。
白鳥おじさんが餌を用意し始めると、白鳥はもちろん、多くの水鳥がやってきます。餌はパンの耳や米の籾殻を混ぜたものを与えているそうです。
桟橋の上をゆっくりと歩いて「こーい!こーい!」と大きな声で鳥を呼んでいます。餌を継ぎ足し、桟橋を何度も往復しながら餌を撒いていきます。
白鳥おじさんは「去年来た白鳥がわかる」と話してくれました。クチバシや足の形などから去年来た白鳥を見つけられるそうです。
白鳥のためにパンの耳を毎日小さく切り、籾殻(※2)と混ぜる作業も全て自分で行い、5年間続けて餌を与えているからこそ、わかるのかもしれませんね。
※2:籾殻(もみがら)……精米する前についている米の外側の皮。
3.白鳥観察舎から観察する
「外での観察は寒い」という方には、白鳥観察舎がオススメ。白鳥観察舎は2か所あります。
1つ目は「歓迎」と書かれた入り口から入ってまっすぐ進んだ場所。「お休み処」の看板を目印に中に入ると、休憩できるスペースはもちろん、おみやげやソフトクリームなどを購入することもできます。
暖かい屋内でゆっくり白鳥や水鳥を観察するには最適ですね。
もう1つは入り口から入って左手、瓢湖の目の前にあります。
双眼鏡が置いてあり、誰でも自由に使うことができます。白鳥が近くにいない、という場合に活躍してくれるのが双眼鏡です。双眼鏡を使って、遠くの白鳥もぜひ探してみてください。
4.白鳥に餌をあげる
白鳥観察舎では、「白鳥のえさ」を100円で購入できます。中を開いてみると、ポン菓子(※3)のようなものが入っています。
実際に餌をやると水鳥がすぐに反応し、こちらへ向かってきてくれました。餌やりのポイントは湖のほうに向けてしっかりと投げること。風が強く、軽量のポン菓子は風に流されてしまうことがあります。
瓢湖へ来たら、ぜひ挑戦してみてください。
※3:ポン菓子……日本の駄菓子の一種。
「水原代官所」で日本の歴史にふれる
瓢湖から徒歩10分程度の場所に、江戸時代の代官所を再現した施設があります。当時、幕府(※4)が直接治める地域には代官所と呼ばれる場所が置かれました。
代官所とは、現在でいう税金の1つである年貢を確保したり、犯罪者の取り調べを行ったりする施設です。
※4:幕府……当時の武家政権
建物の中には、村役人が農地・年貢米などについて訴えにきた「訴所(うったえどころ)」や、犯罪人の取り調べに使われた「白州(しらす)」、地方行政を行う「御用場(ごようば)」などがあります。
こちらは当時から残された資料をもとに再現されており、昔の様子を垣間見ることができます。
水原代官所には、無料で入館できる「ふるさと農業歴史資料館」も併設。農家の居間や農具の展示、発掘された陶器などの展示が行われています。
また入り口付近には、民芸品や特産品コーナーもあります。
阿賀野市の民芸品といえば「三角だるま」。通常のだるまとは異なる、三角の形と何とも可愛らしい表情が印象的です。一番小さいサイズは税込1,230円から購入可能です。
また阿賀野市の日本酒も販売されています。新潟県は日本酒でも有名な場所。県内各地のお酒を飲み比べるのもいいですね。
まとめ
一面雪に覆われた瓢湖で眺める白鳥の姿、江戸時代に重要な役割を果たした代官所。阿賀野市には日本の冬を体感でき、歴史にふれられる場所があります。
新潟駅からバスで1時間、水原・瓢湖行きに乗車すれば乗り継ぎなしで行くことができます。
新潟県に来た際にはぜひ一度阿賀野市まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材協力:阿賀野市 産業建設部公園管理事務所、商工観光課施設管理係
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新潟生まれ。日本文化と古い建物が好きな社会人。日本を、地方を好きになってもらえるような記事を綴っていきたいです。