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福岡・博多を訪れたら絶対やるべき6つのこと
政治や経済、文化などにおいて九州の中心となり発展し続ける福岡・博多。博多ラーメンやもつ鍋、屋台など、独自の食文化が息づいており、国内外から観光やグルメを目的に訪れる観光客も増えています。この記事では、福岡・博多への旅行に役立つ観光・グルメ情報をお届けします。
福岡・博多とは
日本の九州地方に位置し、国際空港や駅、港がすべて半径2.5キロメートル圏内にある世界有数のコンパクトシティ「福岡・博多」(※)。近年ではイギリスの情報誌「Monocle」が選ぶ「世界で最も住みやすい25の都市 2017年度版」の14位にランクインしました。
また、博多ラーメンやもつ鍋、屋台といった独自の食文化も人気で、グルメを目的に訪れる観光客も少なくありません。
観光・グルメ・ショッピングのすべてが揃う福岡市は、訪日旅行客(中国・韓国・台湾)の訪問地満足度で日本1位になったことも(「じゃらんリサーチセンター」調べ)。そんな福岡・博多の魅力を存分にご紹介します。
※:福岡・博多……今回の記事では福岡市都市部を指して「福岡・博多」と表記しています。
1.ローカルフードを味わう:ラーメン、もつ鍋、水炊きなど
博多ラーメン
写真提供:福岡市
福岡・博多のグルメといえば、まず食べたいのが「博多ラーメン」。
ここ数年、福岡・博多のラーメン専門店が海外へと進出し、その知名度はさらに高まっています。博多ラーメンの特徴は、豚骨を長時間煮込んだ白濁したスープと、コシのある細麺。残ったスープに麺を追加する「替え玉」も博多ラーメンならではの楽しみ方です。
福岡市内には多くのラーメン専門店がありますが、福岡の繁華街・天神(てんじん)に本店があり、常に行列が絶えない「Shin-shin」や、10カ国以上に展開している「一風堂」(外国語メニューあり)などが人気です。
もつ鍋
写真提供:福岡市
続いてご紹介するのは「もつ鍋」です。
「もつ鍋」とは、牛や豚のモツ(内臓)を主な材料とする鍋料理で、福岡・博多の郷土料理として知られています。鍋料理は寒い季節に食べられることが多いのですが、福岡・博多では一年を通して食べられており、福岡市内には数多くのもつ鍋専門店が点在しています。
モツはカロリーも少なく、野菜もたっぷり摂取できることから、女性からも高い支持を集めています。また、お店にもよりますが、1人前1,000円前後とリーズナブルな価格なのも嬉しいところ。
モツや野菜を食べた後は、残ったスープに麺を投入。スープを余すことなく、最後の一滴まで味わうことができます。
博多駅や天神などに店舗を展開する「もつ鍋おおやま」や、火で炙ったモツが評判の「博多 もつ鍋 一慶」などは、地元住民からも人気を集めています。
水炊き
写真提供:福岡市
「水炊き」は、福岡・博多の家庭ではもっともポピュラーな鍋料理で、白濁した鶏ガラスープに、鶏のぶつ切りや野菜などを入れて煮込んだ料理です。
最初の一口は、スープに少し塩を足して、鶏の旨味をじっくりと味わいます。続いて鶏肉、野菜などをいただき、最後にご飯を入れて雑炊で〆めます。
福岡・博多で「水炊き」の発祥店と言われている「博多水月」をはじめ、2017年にはクアラルンプールに進出を果たした「とり田」、芸能人なども多く訪れる「博多味処いろは」をはじめとする「水炊き」専門店で、ぜひ福岡・博多の郷土料理を味わってください。
2.夜は屋台めぐりを楽しもう!
写真提供:福岡市
福岡・博多では、夕方になるとどこからともなく屋台が現れ、手際よく店を組み上げたら、営業が始まります。ラーメンや餃子、焼き鳥のほか、フランス料理やジビエ、さらにはバーまで、提供する料理やお酒のバリエーションが豊富なのが特徴です。
福岡・博多の屋台は海外からも注目を集めており、「アジアの屋台都市10選」に日本で唯一選ばれています。屋台は街のあちらこちらに現れますが、「天神」「中洲」「長浜」の各エリアには複数の屋台が集結しています。
初心者にオススメなのは「天神」エリアの屋台。商業施設やオフィスビルのすぐそばに屋台が並び、地元のサラリーマンや若者たちも多く訪れ、比較的リーズナブルなお店が多くあります。
屋台がずらりと並ぶ雰囲気を味わいたいなら「中洲」へ。キャナルシティ博多のすぐそばを流れる那珂川沿いに個性豊かな屋台が並ぶ様は圧巻です。
そして、「長浜」は、港に近く「長浜ラーメン」発祥の地として知られるエリア。界隈には屋台以外にも長浜ラーメン専門店がたくさんあるので、ラーメン好きの方はぜひ訪れてみてください。
写真提供:福岡市
屋台は店主やほかのお客さんとの距離が近く、すぐに仲よくなることができます。地元の人々とのコミュニケーションを楽しむなら、屋台はかなりオススメです。ただ、天候不良のときはお休みも多いのでご注意を。
3.作りたてのビールや日本酒を飲みに行こう!
福岡・博多は世界有数のコンパクトシティ。狭いエリアにさまざまな施設が点在しています。今回は博多駅からのアクセスがよい2つのお酒にまつわるスポットをご紹介します。
アサヒビール博多工場
写真提供:アサヒビール博多工場
日本のビールの中でも特にメジャーな銘柄のアサヒビール。その工場が、博多駅から1駅の「竹下駅」のすぐそばにあり、工場見学ツアーは訪日観光客からも人気を集めています。約90分の工場見学のあとには、ビールの試飲もあり、できたてのビールのおいしさを味わうことができます。
博多百年蔵
「【福岡】博多伝統の味が楽しめる「石蔵酒造 博多百年蔵」の魅力」より
また、日本のお酒といえば、やはり「日本酒」は外せません。あまり知られていませんが、福岡・博多は酒造りが盛んな土地。福岡市内にも酒蔵が点在しています。
博多駅から地下鉄で1駅の「祗園駅」から徒歩約10分の場所にあるのが、こちらの「博多百年蔵」。登録有形文化財に登録されている建物は築140年以上の歴史のあるもので、中には製造直売店があります。
製造直売所では、この蔵で醸造された日本酒「百年蔵」をはじめ、日本酒仕込みの梅酒や、福岡県特産のいちご「博多あまおう」を使ったスパークリングリキュールなどのお酒の販売のほか、試飲も楽しむことができます。
4.新鮮な魚介が集まる「柳橋連合市場」へ
写真提供:柳橋連合市場協同組合
「博多の台所」と呼ばれ、福岡・博多の食文化を支えているのが、「柳橋連合市場」です。鮮魚を中心に新鮮な食材が豊富に揃うことから、プロの料理人たちも多く、毎日活気に満ちています。
写真提供:福岡市
全長約100メートルのアーケードには約50店舗がずらり。蒲鉾(かまぼこ)や天ぷらをその場で食べたり、市場内の食堂で海鮮丼を食べたり、ショッピング&グルメを同時に楽しむことができます。
毎月、第3木曜日は抽選でショッピングチケットが当たる「定期売り出し」を開催。毎週土曜日は各店舗が数量限定でお買い得品を売り出す「柳橋鮮魚土曜市」も行なわれています。
5.博多駅から歩いて行ける!福岡・博多の歴史探訪
古くから外国との交流があった福岡・博多には、あまり知られていませんが、京都や奈良に負けないほど、由緒あるお寺や神社が数多くあります。
櫛田神社
写真提供:福岡市
地下鉄「中洲川端駅」「祗園駅」からそれぞれ徒歩8分の場所にある櫛田神社(くしだじんじゃ)は、古くから「博多の総鎮守」(※1)と親しまれてきた神社で、商売繁盛、不老長寿の神としても信仰を集めています。
境内には、福岡・博多の夏の風物詩である祭り「博多祗園山笠」で展示される「飾り山」(※2)が常設展示されており、博多人形師によって作られた豪華絢爛な山車(だし)は一見の価値があります。
※1:総鎮守……特定の建造物や一定区域の土地を守護するために祀られた神のこと
※2:飾り山……「博多祗園山笠」で奉納される高さ10メートル以上の豪華絢爛な山車
東長寺
写真提供:福岡市
806年に唐(中国の王朝名)での修業を終えた僧侶・空海(弘法大師)が建立した「東長寺」には、鮮やかな朱色が目を引く五重塔や高さが10.8メートルもある福岡大仏など、見どころが盛りだくさん。近隣には日本で最初にできた禅寺「聖福寺」や、うどん・そばの発祥の地と伝わる「承天寺」などもあり、神社仏閣めぐりを楽しむことができます。
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6.短い時間でたくさんのスポットを巡る!福岡・博多のショッピング
写真提供:福岡市
福岡・博多は九州地方最大級の商業都市。博多駅周辺や天神周辺には、福岡・博多の名産品から高級ブランドまでが集結する百貨店(岩田屋・福岡三越・博多阪急など)や、映画館や劇場、ホテル、ショッピングモールが軒を連ねるキャナルシティ博多など、数多くのショッピングスポットがあります。
最新のファッションに触れたり、おみやげを選んだり。コンパクトシティの福岡・博多だからこそ、短い時間でたくさんのスポットを訪れることができます。
オススメのショッピングスポットはこちらの記事で紹介していますのでご参照ください。
福岡・博多を満喫するなら最低1泊はしたい!
福岡・博多の魅力は、コンパクトシティであること。そのため、1日あれば、多くのスポットを巡ることができます。
ただし、屋台は夜にしかオープンしませんし、福岡・博多を訪れたなら、夜まで存分に楽しんで欲しいもの。最低でも1泊することをオススメします。
最近はリーズナブルでおしゃれなゲストハウスも続々オープンしているので、賢く利用しましょう。
訪れるなら春から初夏がオススメ
写真提供:福岡市(「博多どんたく港まつり」の様子)
福岡・博多は日本海側に面していますが、温暖な太平洋側の気候に分類されます。年間を通じて比較的穏やかな気候ですが、冬は0度以下になることも。
オススメの季節は春から初夏(4月から7月頃)にかけて。5月には200万人以上の観光客が訪れる「博多どんたく港まつり」、7月には「博多祗園山笠」という2つの大きなお祭りがあるため、お祭りのスケジュールを確認して訪れるのもよいでしょう。
東京から福岡・博多までのアクセス方法
飛行機
羽田空港から福岡空港まではANAやJALのほか、スターフライヤー、スカイマークなどの航空会社が乗り入れており、1日50便以上飛んでいます。飛行時間は約2時間。運賃は片道1万円台から4万円台で、早期に予約をすれば割引運賃が適用されることもあります。
成田空港から福岡空港まではLCCのジェットスターやpeachも飛んでいます。運賃は1万円以下の場合も多く、かなり安く移動できます。ただし、東京都心から成田空港までは、バスや電車で1〜1.5時間、交通費も1,000〜1,500円程度かかるのでご注意ください。
新幹線
東京から博多まで新幹線を利用すると約5時間かかります。また、料金も片道22,950円(指定席利用)と、場合によっては飛行機よりも割高になることもあります。
新幹線は京都や大阪、神戸、広島なども通りますので、途中下車をしながらの旅もよいかもしれません。新幹線に乗車する場合、乗車券と新幹線特急券が必要になります。
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福岡市内の移動手段はバスや地下鉄のほか自転車も便利!
写真提供:福岡市
バス
福岡・博多の都心部を移動するなら、100円循環バスが便利。今回ご紹介したほとんどのスポットは、このバスで巡ることができます。運賃も1コイン(1乗車につき100円)とリーズナブルです。
地下鉄
福岡空港から博多駅まではたった2駅。そのほか、天神や中洲といった都心部への移動にも便利なのが地下鉄です。2017年9月には外国人旅行者専用の「地下鉄2日乗車券」(720円)も誕生しました。
この乗車券は福岡空谷国際ターミナルや博多港国際ターミナル、天神観光案内所、博多駅観光案内所などで購入することができます。詳しくは公式HPをご覧ください。
自転車
坂が少ない福岡・博多は、観光にレンタサイクルも利用されています。最近は「COGICOGI」や「メルチャリ」といったシェアサイクルサービスも参入しており、観光客にとってもさらに便利になっています。
リピートしたくなる街
国内でも人気が高まる一方で、世界からも注目を集める福岡・博多は、ぜひとも一度は訪れてみたい土地。
そして、一度訪れるとその魅力に魅了され、2度、3度とリピートする観光客も少なくありません。また、福岡・博多からは、長崎や大分、熊本などへのアクセスもよく、九州地方の旅の拠点としてもかなり便利です。
見どころ盛りだくさんの福岡・博多。ぜひ、その魅力を体感してください。
幼少期から福岡で育ち、現在は福岡を拠点に九州・山口各地のグルメや旅などの取材・執筆活動を行う。美味しいものがあると聞けば、日本全国どこへでも飛んで行くフットワークの軽さが自慢です。