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宮崎・高千穂を訪れたら絶対にやりたい6つのこと
宮崎県の北端部に位置する「高千穂」。小さなまちでありながら、高千穂峡に代表される雄大な自然と、さまざまな神話が残る歴史が息づき、多くの観光客が訪れます。今回はそんな高千穂の魅力を紐解き、絶対に行っておきたいスポットを紹介します。
高千穂で自然を体感し、歴史に触れよう
宮崎県・高千穂は、日本の創生期の様子を物語る「日本神話」(※1)に縁がある土地として知られています。その伝説はこのまちの雄大な自然の中で育まれ、現在も高千穂にはさまざまな伝説の舞台が点在しています。
そこで今回は、「自然」と「歴史」の切り口から、高千穂の魅力を体感できるスポットをお伝えします。
※1:日本神話……歴史書『古事記』『日本書紀』などに書かれている、日本の国の成り立ちや、天皇家の歴史を今に伝える物語。神と人の交わりや、人々の営みが生き生きと描写されている。
自然を体感する
1.高千穂峡で貸しボートに乗る
高千穂峡は、かつて熊本県の阿蘇山から噴出した火砕流が、五ヶ瀬川(ごかせがわ)に沿って流れ出し、急激に冷却されたことから生まれました。1934年に国の名勝・天然記念物に指定され、多くの観光客が訪れています。
峡谷内には日本の滝百選に選ばれている「真名井(まない)の滝」(写真)があり、約17メートルの高さから水面に落ちる様は迫力満点! この「真名井の滝」をはじめ、峡谷のダイナミックな自然を体感できるのが貸しボート。水しぶきがかかりそうなほどの近さから滝を見上げる体験はなかなかできません。
貸しボートは1隻30分2,000円(定員3名まで)。ゴールデンウィーク(4月下旬から5月上旬の連休)や夏休みなど、時期によっては2〜3時間の待ち時間が発生するので時間に余裕を持って訪れましょう。
高千穂峡貸しボート
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井御塩井 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから高千穂回遊バス(※)で約13分、「高千穂峡」下車
公式HP:https://takachiho-kanko.info/sightseeing/taka_boat.php
※高千穂回遊バスは、土・日・祝日及び繁忙日に運行
2.高千穂峡の遊歩道を歩く
峡谷内には五ヶ瀬川沿いに約1キロメートルの遊歩道が整備されています。2016年4月の熊本地震の影響で一時通行止めになっていましたが、復旧工事を終え2017年3月に開通しました。
遊歩道には、五ヶ瀬川の川幅がいちばん狭いところに架かる「槍飛橋(やりとびばし)」や、高さ3メートル・重さ200トンともいわれる巨大な「鬼八(きはち)の力石(ちからいし)」、幾筋もの水が流れ落ちるのが美しい「玉垂(たまだれ)の滝」、「真名井の滝」など見どころ盛りだくさん。夏はライトアップ、秋は紅葉と、四季折々の風情を感じることができます。
高千穂峡遊歩道
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井御塩井 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから高千穂回遊バス(※)で約13分、、高千穂峡下車
公式HP:http://takachiho-kanko.info/sightseeing/detail.php?log=1355898005
※:高千穂回遊バスは土・日・祝日及び繁忙日に運行
3.あまてらす鉄道のグランド・スーパーカートに乗る
2005年に廃線となった旧高千穂鉄道の線路を利用し、高千穂駅から高千穂鉄橋までの往復5.1キロメートルを時速25キロメートルで往復する「あまてらす鉄道」。
なかでも人気を集めているのが、2017年3月にデビューしたグランド・スーパーカートです。客車の床の中心部には透明な強化ガラスが敷かれ、走り過ぎる線路の様子が見られたり、高さ105メートルの高千穂鉄橋を渡ったりとアトラクション的な要素も充実。
およそ30分の短い鉄道旅行ですが、予約不要で気軽に利用でき、自然豊かな田園風景や絶景を楽しむことができます。
高千穂あまてらす鉄道
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1425-1 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから徒歩約10分
公式HP:https://amaterasu-railway.jp
歴史に触れる
4.天岩戸神社で御神体を拝観する
日本神話には、太陽の神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が、弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴に怒り、天岩戸(あまのいわと)に籠ったという記述があり、天岩戸神話として伝わります。
天岩戸神社は、その天岩戸を祀る神社。御神体(※2)である天岩戸には、神職による案内で参拝することができます。案内時間はこちらよりご確認ください。写真撮影はできないので気を付けましょう。
※2:御神体(ごしんたい)……神様の御霊が宿るとされ、礼拝の対象になっているもの。
また、西本宮から岩戸川(いわとがわ)に沿って15分ほど歩いたところには、大洞窟「天安河原(あまのやすかわら)」があります。太陽の神である天照大神が岩戸に隠れたため、世界は闇に閉ざされました。そこで数多くの神々がこの場所に集まり話し合ったと伝えられ、神秘的かつ幻想的な雰囲気を醸し出しています。
天岩戸神社
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073-1 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから高千穂回遊バス(※)で約17分、天岩戸神社下車
公式HP:http://amanoiwato-jinja.jp
※:高千穂回遊バスは土・日・祝日及び繁忙日に運行
5.高千穂神社で伝統芸能「高千穂神楽」を観る
かつて高千穂峡には500を超える神社があり、その中でも格の高い88の神社を高千穂郷八十八社と呼びます。
今から約1900年前に創建された「高千穂神社」は、この高千穂峡八十八社の総社で、神社本殿と所蔵品の鉄造狛犬一対が国の重要文化財に指定されています。
高千穂では毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内の20の集落で夜通し「夜神楽」(※3)が奉納されます。
「夜神楽」は国の重要無形文化財に指定されていますが、「高千穂神社」の境内にある神楽殿では、1年を通して毎日20:00〜21:00の約1時間、「高千穂神楽」を公開しています。1人700円(予約不要)。
※3:神楽・夜神楽(かぐら・よかぐら)……豊作や豊漁、豊猟を祈って神に奉納される神事。今日は催事や祝い事に欠かせない郷土芸能として人々に親しまれている。
高千穂神社
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1037 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから徒歩約15分
公式HP:http://takachiho-kanko.info/sightseeing/detail.php?log=1336615324
6.国見ヶ丘で雲海を眺める
「国見ヶ丘」には、はるか昔の神話の時代、初代天皇・神武(じんむ)天皇の孫にあたる建盤竜命(たけいわたつのみこと)が、この丘に立ち、九州の国を見渡したという伝説が伝わります。
標高513メートルから望む眺望はとても素晴らしく、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(2011年)で1つ星を獲得したことでも知られています。
また、雲海の名所として知られており、秋から初冬の早朝には、高千穂盆地や盆地をとりまく山々を霧が覆い隠し、幻想的な雰囲気を演出します。
国見ヶ丘展望台
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町押方 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから車で約15分
公式HP:http://takachiho-kanko.info/sightseeing/kunimigaoka.php
旅の計画 夜神楽や雲海を楽しむなら1泊2日以上で
高千穂を訪れたなら、夜に開催される高千穂夜神楽や、秋から初冬にかけて早朝に現れる雲海は見ておきたいです。そのため、高千穂で1泊する旅程がよいでしょう。
町内には低価格で宿泊できるゲストハウスから高級旅館まで、多種多様な宿泊施設があり、予算や希望に応じて選ぶことができます。
町内は路線バスが運行していますが、本数が少なく行き先も限られるので、タクシーやレンタカー、レンタサイクルの利用がオススメ。
土・日・祝日や繁忙期であれば、高千穂峡や天岩戸神社、高千穂神社など高千穂の主要な観光地を結ぶ「高千穂回遊バス」が運行し、1日乗り放題になる「高千穂回遊バス乗車券」(大人600円・子ども300円)もあります。
高千穂に到着したら、まずは「まちなか案内所」(日本政府観光局認定の外国人観光案内所)へ行きましょう。高千穂観光に関する案内や現地ツアー、体験メニューの手配、レンタカーやレンタサイクルの貸し出し、手荷物預かりなど、幅広く対応してくれます。
まちなか案内所
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井802-3 Google Map
アクセス:高千穂バスセンターから徒歩1分
公式HP:http://takachiho-kanko.info/sightseeing/detail.php?log=1339228383
高千穂へのアクセス
福岡から
博多駅から高速バス「ごかせ号」で約4時間。1日4本運行。片道4,020円(要予約)。
熊本から
熊本駅から特急バス「あそ号」「たかちほ号」で約3時間。1日2本運行。片道2,370円(要予約)。
宮崎から
宮交シティバスセンターから高速乗り合いバスで約2時間40分。1日1本運行。片道2,500円(要予約)
※運行しない期間あり。運行日はこちらより確認を。
バスの予約はこちらから。http://www.atbus-de.com/
まとめ
高千穂は九州のほぼ中央にあり、決してアクセスがよいとは言えない場所ですが、一度訪れるとその不思議な魅力にハマるはず。風光明媚な大自然と神話にまつわる歴史を存分に楽しんでください。
幼少期から福岡で育ち、現在は福岡を拠点に九州・山口各地のグルメや旅などの取材・執筆活動を行う。美味しいものがあると聞けば、日本全国どこへでも飛んで行くフットワークの軽さが自慢です。